機動戦士ガンダムRSD 第26話 散る命 残る命
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ティリング三佐は、トダカ一佐に通信を入れた。
「コロニー艦隊を全滅せよとの命令は、私が続けます。
タケミカズチが健在ならばオーブ機動部隊は、健在できます。
それにあなたとその艦は、決してオーブが失ってはいけない力なのです」
ティリング三佐は、そこで通信を切った。
「お前たちも退艦しろ」
ティリング三佐は、部下たちに命令した。
「了解」
ブリッジのほとんどの人が敬礼した。
「私は、お供させてもらいます」
アサマ艦長のクラマ一尉は、敬礼してティリング三佐に進言した。
「だめだ」
ティリング三佐は、拒否した。
「聞きません」
クラマ一尉も譲らなかった。
「だめだ」
ティリング三佐は、クラマ一尉に強く言った。
そのときアサマを更なる誘爆が起きた。
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護衛残存艦隊の最後の僚艦だったイージス艦2隻もガンダムサイガーMk-2の大型B.M.B.Rで撃沈された。
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皆は、先の誘爆のせいでバランスを崩し床に座っていた。
「やつらと一緒に地獄へ行くのは、私一人で十分だ」
ティリング三佐は、艦とともに心中するのは自分1人で十分だと考えていた。
「いえ」
クラマ艦長もこの被害の責任を感じていた。
「もはやない命と考えているのならば思い同じくするものとともにアークエンジェルかミネルバに行け」
その言葉にクラマ艦長は、きょとんとしてしまった。
そのままティリング三佐は、クラマ一尉に近づくと胸倉をつかんで無理やり立たせた。
「お前たちは、この先の戦場にて戦え。
それが後にオーブを昔の国に戻す唯一の方法なのだ」
ティリング三佐の目には、うっすら涙がたまっていた。
「ティリング三佐」
クラマ艦長は、もう何も言えなかった。
「頼む。
トダカ一佐とキサカ一佐がそれができる唯一の軍人なのだ。
しかし彼らも一人では、何もできない。
だからお前たちは、そのときの力になってほしいのだ。
これまでの戦闘で無念に散っていった兵士たちのためにも」
ティリング三佐は、ついに涙を流した。
「行け」
クラマ一尉は、皆を連れて救命ボートに乗り込んだ。
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サイジョウ元帥は、最後のイージス艦のブリッジ前に着艦した。
そしてブリッジを見ると司令官と思しき人物がこちらに敬礼していた。
サイジョウ元帥は、一度右腕に持っていたムラマサ・ブラスターを背部にマウントさせるとガンダムサイガー改の姿勢を正して敬礼させた。
サイジョウ元帥も司令官に向かって敬礼した。
その後二人が敬礼をやめると再びガンダムサイガー改にムラマサ・ブラスターを持たせてブリッジを斬った。
アサマは、爆沈した。
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サオトメは、通信を戦闘海域にいるコロニー艦およびマン・マシーンにすべてにつながる通信を入れた。
「コロニー軍所属兵士に通達する。
われわれとここまで戦えたオーブ戦士および司令官に敬意と哀悼の意を込めて総員、敬礼」
サオトメはガンダムサイガーMk-2と自分が敬礼しその言葉にα艦隊の艦のブリッジにいた人、ガンダムサイガーとパイロットが敬礼した。
ガンダムサイガー改とサイジョウ元帥もオーブ戦士に向かって敬礼した。
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それはガーティー・ルーのブリッジにいた地球軍兵士、脱出したオーブ兵士およびタケミカズチのブリッジにいた全員、アークエンジェルおよびミネルバのブリッジにいた全員も敬礼した。
作品名:機動戦士ガンダムRSD 第26話 散る命 残る命 作家名:久世秀一