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MEMORY 序章

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 期末試験明けの短縮授業の間、一護は毎日浦原商店に通い、斬拳走鬼の拳、白打の指導を浦原に請うた。一護は空手を習っていた基礎があったし呑み込みが良かったので、浦原の手を煩わせる事態は少なかった。
 夏休みに入ると、完現術を使う為に鬼道の教えも請い、鬼道を教えるのは苦手だという浦原がテッサイを代わりに推薦した。テッサイに要領を教わり、浦原相手に実際に打ち、一護は瞬く間に鬼道が上達した。が、回帰術だけはどうにも出来なかった。
 晶露明夜の木魂で浦原から斬術を習いながら、一護は回帰術が出来ない分、怪我をしないように防御する為に縛道を工夫した。
 死神化は出来ないまでも、霊力を使い熟す事が出来るようになりつつあり、八十番台の鬼道は破道・縛道を問わず詠唱破棄で使えるようになっている。記憶の中の一護が霊力のコントロールが苦手だった事が、一護には信じられないくらい、鬼道を操る術は長けている。が、繊細な使い方は出来るようにならなかった。
 一護は長期休暇中の部活動は、学校での練習には参加したが、合宿には女子部員が一人だけという状況を盾にとって参加しなかった。部活をやめなかったのは、練習と称した乱捕りの餌食にしようと仕掛けてくる男子部員達の狼藉が、少女である為にしない喧嘩の代わりに気配を読む力を鍛えてくれるからだ。朝のジョギング中に公園で行うストレッチの時に、目を瞑って行う鍛錬だけでは足りない分を、殺気の薄い上級生達の動きから感じられるように利用した。
 そうして浦原の下へ通うようになって一年もした頃には、晶露明夜と鬼道を使い熟せるようになった。
 一護の完現術は、旋風を起こす力と、刀を交える事で記憶を読み取る力の他にもう一つ完現術で出現させたパチンコ玉から卓球サイズの霊球に、鬼道を凝縮して包む事が出来るのだ。それを晶露明夜の柄に詰めて置いて後で使える。
 覚えてすぐに、地区担当の死神が危ない場面で密かに援護に使った。尤も誰の仕業かばれないように気を付けていたので、駐在死神達は、多くが援助の手があった事は気付いても誰の仕業かは気が付いていなかった。それでも、使われた鬼道から霊圧を感じ取る事の出来る者は、援助してくれた者の霊圧を覚えていった。
 一護が、完現術の霊球に込められる鬼道は破道・縛道を問わず使える術なら全てなのだが、藍染に気付かれても困らないように、赤火砲と蒼火墜しか使わなかった。
 最上級生になった時に受験を口実に部活をやめた。
 その分、時間を作って浦原の所へ通い、斬拳走鬼を学び、同時に行使できるように鍛錬した。生身では瞬歩は使えるようにならなかったが、鬼道のコントロールは記憶と違って随分上達した。



作品名:MEMORY 序章 作家名:亜梨沙