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【弱ペダ】(サンプル)Sweet And Goody

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 Sweet, Sweet Goody

「で、オメーは何で残ってんのォ?」
 東堂と福富は午後から用事があるとかで、箱根の山を下りて登ってくるコースをもう一度走った後帰って行った。後には新開が一人残っている。
「靖友、午後時間あるかい?」
 にやりと新開が笑う。
「あー、小田原出る。買いてーもんあるし、雑誌も見てーし」
 練習着や新学期前に新調しておきたい物もあった。箱根でも良かったが、自転車用品や専門誌、新譜のCDなどになると品揃えの違う大きな町の方が便利だ。オフと言うことで少し町をぶらついてリフレッシュしたい、そんな気持ちもあった。
「あ、俺も。一緒に行こーぜ」
「いーけどォ。じゃ、俺外出届出してくるわ」
 荒北は自転車に再び跨る。寮の朝食にはもう間に合わない時間だ。だが、昼食にはまだ早い。小田原で軽く食べるか、コンビニで買って帰ろうか。何よりまず一旦帰って汗だくのジャージを着替えたい。
「おー。じゃ、湯本に昼で良いか?」
「電車かァ?」
 まさか、と言わんばかりの顔で新開を見る。聞き返されるとは思ってなかったのか、一瞬虚を突かれたような顔をした。が、すぐににやっと笑って挑戦的にまた指を銃の形にしてその指先を荒北へ向ける。
「自転車だろ?」
「ったりめーだろ! チャリ部」
 じゃな、と笑って荒北はペダルを漕ぎ出す。
「あ、晩飯も食って帰ろーぜ」
 後ろからの新開の呼びかけに、荒北は片手を了解、と上げた。

 再び駅で合流した荒北と新開は、自転車で箱根を下ると、ファストフードの店に入って簡単に昼を済ませた。その後は互いの必要な買い物をして、店をぶらぶらと見て回る途中で買い食いをして小腹を満たす。