魔法つかいプリキュア!♦ダークジュエルストーリー♦
「ヨク、バァルゥッ!!?」
赤炎に包まれてヨクバールが苦しんでいた。
「あのヨクバールはわたしたちじゃどうにもできない、あんた達の魔法に頼るしかない!」
ダークネスが言うと、ミラクルとマジカルが頷いた。二人の前にダイヤが輝くリンクルステッキがクロスした状態で現れ、それぞれがステッキを手にして宙に舞う。
『ダイヤ! 永遠の輝きよ、わたしたちの手に!』
二人が空中で手をつないだまま輪舞を踊って地上に降りると、彼女らの周囲に無数の光の粒が高く波だった。マジカルが高く上げた左手にリンクルステッキを構えると、少し離れて見ていたモフルンが胸のダイヤを左手で触り、ミラクルが右手のリンクルステッキを高く上げて構えると、モフルンは右手でダイヤに触れた。ダイヤからあふれた聖なる光が広がり、近くにいたリリンとチクルンはその眩しさに目を閉じた。
『フル、フル、リンクル!』
ミラクルとマジカルがリンクルステッキで三角形を描くと、それが具現化して光り輝く二つの三角形が宙に浮き出る。ミラクルとマジカルの創造した三角形の間にもう一つ三角形が現れ、三つの三角形が結合して光り輝くダイヤの形になった。
「ヨクバールッ!!」
炎を振り払ったヨクバールがミラクルとマジカルに向かってくる。ダイヤの光が見る間に大きく広がり、2人を守る聖なる盾となって突撃してきたヨクバールを受け止めた。光と闇がせめぎ合い、光が闇を打ち払っていく。
『プリキュア・ダイヤモンドーッ!』
ミラクルとマジカルのつないでいる手にギュッと力がこもる。その瞬間にダイヤの盾が白いハートの五芒星魔法陣に変わり、ヨクバールの闇が完全に打ち払われ、黒く燃え上がる体が巨大なダイヤの中に封印された。
『エターナルッ!』
二人がつないでいる手を放すと同時に、その手を力強く前にかざして魔法を放った。巨大なダイヤが回転し、魔法陣から撃ちだされ、すさまじい衝撃波が起こって周囲は花弁の嵐となった。ダークネスとウィッチは彩花の嵐の中で空の彼方に消えていくヨクバールを見つめていた。
ヨクバールを乗せたダイヤは白い光を放ちながら彗星のように白い尾を引いて一気に宇宙の闇の彼方へと飛んでいく。
「ヨクバール……」
無限の闇に光が爆ぜ、ヨクバールの浄化と共に星雲が現れ、そこから広がる光の中から現れた三つの闇の結晶が地上に向かって降りていった。
作品名:魔法つかいプリキュア!♦ダークジュエルストーリー♦ 作家名:ユウ