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魔法つかいプリキュア!♦ダークジュエルストーリー♦

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 リコが聞くと、みらいも立ち上がり、声に力を込めていう。
「実は、わたしたち以外にもプリキュアがいるんだよ」
 リコは一瞬、自分の耳を疑って黙った。みらいの言葉を正しく理解するのに数秒かかり、それから目を大きく見開いて叫んだ。
「なんですって!? それ本当なの!?」
「本当だよ、この目で見たの。わくわくもんでしょ!」
「モフルンも見たモフ、黒くてかっこいいプリキュアだったモフ」
 それからリコは少し考え込んだ。
「……それが本当だとしたら、伝説の魔法つかいがまだいるっていうことなのかしら? それも校長先生に聞いてみましょう」
 三人はみらいの家に戻ると、みらいの部屋で勉強机の上に水晶さんを置いてリコがそれに語りかける。
「校長先生」
 すると水晶に校長の姿が現れる。
「おお、到着したか」
「校長先生、お久しぶりです!」
「君たちも元気そうじゃな」
 それからリコが校長に事のあらましを報告する。みらいを襲ってきたフェンリルのことを聞いた時には、校長は柔和な微笑を消して真顔になった。
「謎の黒い結晶、それを狙う闇の魔法を使う白猫、デウスマストの眷属のように邪悪な存在であることは間違いなさそうだのう。まずはその黒い結晶をこちらで調べよう、すぐに送ってほしい」
「分かりました。あと、もう一つ報告があります」
 そしてリコは、みらいから聞いたプリキュアの話をそのまま校長に伝えた。すると校長は、先ほどのリコとほとんど同じような反応を示す。
「何と、君たちの他にもプリキュアがいるとな!? 姿は見たのかね?」
「はい、二人組の黒いプリキュアです」
 みらいが言うと、校長は顎に手を置いて考え込んだ。
「わたしたち以外にも伝説の魔法つかいがいるのでしょうか?」
 リコが聞いてみると、校長は首を横に振った。
「伝説の魔法つかいは君たち二人だけだ、それは間違いない」
「じゃあ、その黒いプリキュア達は一体……」
「伝説の魔法つかい以外にプリキュアが存在するなど、聞いたこともないが、予言が示しているのはこの事なのか……?」
「校長先生、予言って何のことですか?」
「実はのう、君に話した予言には続きがあってな。はっきりとした事が分からなかったので伏せておいたのだが、伝えておいた方がよさそうだな。今から教えてしんぜよう」
 そして沈黙が訪れる。みらいもリコも黙って校長の次の言葉を待っていた。
「二つの世界の片割れに闇あふれ滅びの時迫る。その時、光と闇、二つの伝説が交錯する。光の伝説とはいうまでもなく君たちの事だ。闇の伝説については皆目見当もつかなかったのだが、みらい君が見たそのプリキュア達がそうである可能性が高いな。そして光と闇は交錯するのだ。君たちと、その黒いプリキュア達は、何らかの形で関係を持つことになる。そのように解釈するのが妥当(だとう)であろうな」
「きっと仲良くなって悪者と一緒に戦うんだよ!」
 みらいが嬉しそうにそんなことを言うが、リコはそれを素直に受け止めることができなかった。光と闇、この相反する存在同士が手を取り合って戦うことに、どうにも拭えない違和感があった。そして、その先にはもっと恐ろしい予感がある。しかし、リコはそれより先の事は考えないようにした。あるかどうかも分からない事を心配しても無意味だと思ったからだ。
「今からテレポッドでみらいが持ってる黒い結晶をそちらに送ります」
「よろしく頼む」
 リコは持ってきたトランクをベッドの上に置くと、先端に星形の水晶が付いている自分の魔法の杖を振った。
「キュアップ・ラパパ、トランクよ開きなさい」
 リコが魔法をかけると、トランクの中央にある魔法学校の校章、盾形の中の色が桃色とマゼンダのバイカラー、その中に可愛らしい黒猫が座っている姿が描かれている。それが浮き出て真横になり、また元の位置に戻ると、トランクから鍵が外れるような音が聞こえた。そしてトランクがひとりでに開いた。その中にはリコに着替えや櫛や勉強道具などが入っている。その中からリコは白い色の小さな壺を出して近くの小さなテーブルの上に置いた。みらいはそれを不思議そうに見ていた。
「つぼ?」
「ただの壺じゃないわ、校長先生が特別に用意した魔法の壺よ。この壺に物を入れると、魔法のトンネルを通じて魔法界へ送ることができるの。ちょっとした物なら一日もあれば校長先生に届けられるわ」
「魔法のトンネルモフ?」
「魔法界とナシマホウ界をつないでいるトンネルこのとよ。それがあったから、わたしはナシマホウ界までくることができたのよ」
 それからリコとみらいは二人で協力して闇の結晶をピンクの布の袋に詰め、口を白いひもで固く閉じてから、それを壺の中に入れる。すると、壺の中からまばゆい光が出て部屋中が一段明るさを増す。壺の中の光はすぐに消えて、みらいが壺の中を覗き込むと何もなくなっていた。
「消えちゃったよ!?」
「すごいモフ〜」
 リコは壺の中身が消えたのを確認してから、水晶に映る校長に向かっていった。
「校長先生、黒い結晶をそちらに送りました」
「うむ、何かわかり次第すぐに知らせよう」
 みらいとリコ、この二人の少女の再開は魔法界の古に隠された伝説へと続いてゆく。

 その夜、聖沢家の屋敷ではディナーの後のデザートに山盛りのプリンアラモードが出現した。その作成者の巴が、エプロンの前で両手を重ねて何とも嬉しそうな笑顔を浮かべていた。小百合はボリューミーなプリンアラモードの前で少し引きつった顔をしていた。
「これはなんなの?」
「巴特製のプリンアラモードでございます。わたくしお嬢様とラナ様の友情がプリンアラモードによって結ばれてたなんて知りませんでした。いって下さればいつでもお作りしましたのに」
 それを聞いた小百合は、隣で美味しそうにプリンアラモードを食べているラナに鋭い視線を送る。そんな小百合の膝の上にはリリンがいて、プリンアラモードの陰に隠れてスプーンで生クリームをすくって口に運ぶ。小百合の視線に気づいたラナは、ご機嫌な笑顔でスプーンで天井を指していった。
「わたしたちはプリンアラモードの誓いの腕輪をしてるんだもんね、プリンアラモードをいっぱい食べなきゃ!」
「……あんた、そういう知恵は働くのね」
「これから毎日プリンアラモードをお作りいたしますわ」
「冗談いわないで! こんなもの毎日食べてたらブクブク太っちゃうわ!」
 小百合が巴にいうと、ラナがとても残念そうな顔をする。それを見た小百合は、少しばかり不本意ながらも巴にこういった。
「まあ、週に一回くらいならいいわ」
「では本日より、毎週土曜日をプリンアラモードの日といたします」
「うわ〜い、やった〜」
 ラナは右手にスプーンを持ったまま万歳して喜んだ。