二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

白い闇6【番外編】

INDEX|3ページ/3ページ|

前のページ
 

カミーユはゴクリと息を呑み、設計図を食い入るように見つめる。
「本当はこんなものが必要にならない方が良いんだけどさ、もしもの時はこのくらいの機体じゃないとあの人には敵わないから…」
確かに、シャアが本気で立ち上がれば、彼を支援するスペースノイドは後を絶たないだろう。おそらくシャア自身の機体もシャアの実力を十二分に引き出す最強のものが用意される。そうなればいくらアムロと言えども、汎用機では太刀打ち出来ない。
「…確かに…」
「俺はずっとここに居るからってブライトに伝えてくれ」
「でもアムロさん…ここでのあの子との生活も大切でしょう?」
「そうだね。だからギリギリまでここであの子とひっそり暮らしていたい。でも、あの人に関しては…ね…。知らぬふりなど出来ないから…」
「アムロさん…」
「時々さ、こうして宇宙を見つめていると、あの人の悲痛な叫びが聞こえてくるんだ。スペースノイド達の未来を憂う声…そして腐った地球連邦政府への恨み言…。あの人は純粋だから、全部を引き受けて極端な行動に出てしまうかもしれない」
カミーユもそれは感じていた。
あの戦争で行方不明になったと聞いたが、絶対に生きていると思った。
そして、このまま歴史の隅に埋もれてしまう人ではないとも。
「分かりました。これはお預かりします。必ずブライト艦長に渡しますので」
「ありがとう、カミーユ」

翌日、アムロの元を去るカミーユを、アムロと子供が見送る。
「カミーユ、ありがとな。またいつでも遊びに来てくれ」
「はい、ありがとうございます」
アムロにお礼を言うと、アムロの足にしがみついている子供の頭をそっと撫ぜる。
「君も元気で…。お母さんと仲良くね」
「…うん」
小さく返事をする子供に微笑むと、カミーユはアムロに背を向け立ち去って行った。
その後ろ姿を、アムロは切なげに見つめる。
そんなアムロに子供がギュッと抱きつく。
「心配しなくても大丈夫だよ。お前を手放したり絶対しない。ずっと一緒だ」
「うん…まーま…大好き」
「ああ、俺も大好きだよ」
アムロは子供を抱き上げ、ギュッと抱きしめた。
できる事ならば、あの人に刃を向けるような事はしたくない。
いつか…判り合う事が出来れば…。
アムロは目を閉じそっと宇宙に祈る。
「シャア…」


end

そして逆襲のシャアに続きます。
きっとラー・カイラムに子供も連れて行くんでしょう。そんでもって必ず生き残ります!
それでハッピーエンド!
作品名:白い闇6【番外編】 作家名:koyuho