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女体化ジルヴェスターの災難~ドレッファングーアの暇潰し~

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素材と情報 1



 アレキサンドリアの素材について、話をゆったりとしながら、案内する。風の盾を張りながらなので、魔獣に不意討ちされる事も無く、穏やかな時間が流れる。
「え、では記憶には残らないのか?」
「ああ、全て忘れて残ったのは素材と一部の木札だけだ。突然、3日間の記憶が無くなっていたから、戻った時は訳が分からなかったな。」
 2人のエックハルトが話している横で2人のユストクスも盗聴防止を使って話している。その内容はフェルディナンドとローゼマインの無自覚イチャイチャ生活に関してなのだが、聞こえていない為、邪魔する者も無い。
「しかし、何を持って帰る事になるか分からない、と言うより覚えていないから、気になるモノは何でも収集して置けば良い。」
 楽しそうにしているが、若干、その声には迷いがある。ハイデマリーの事を伝えるべきか悩んでいるのだろう。
 ローゼマインはともかく、フェルディナンドであれば気付く筈だ。しかし彼は現在、別件で頭を使っていて、注意を払っていなかった。
「フェルディナンド様、どうされました?」
 そしてローゼマインがそれに気付かないのは有り得ない事だった。
「いや…、何か引っ掛かっていてな…。何が引っ掛かっているかが不明なのだが。」
「モヤモヤしている感じですか?」
 感覚的な言語で纏めると、ローゼマインは首を捻る。
「もしやヤキモチではありませんか?」
 フェルディナンドが発するには随分俗な感情だと過去の2人は思うが、今の2人は違う。ローゼマインが気付かぬ処で、未だにルッツを気にしている事を知っている。
 いつの間にか盗聴防止を仕舞っている今のユストクスが会話に入る。
「恐れながらローゼマイン様、フェルディナンド様がローゼマイン様に関する事以外で、
一体どうやってヤキモチを妬くのでしょうか?」
 誂いの笑顔を向けられ、フェルディナンドはムッとした顔になり、ローゼマインは奇声を上げる。
「ふぇっ!!? もう!! ユストクス!!! 変な事を言わないで下さいませっ!!! フェルディナンド様は寧ろ私以外の事にヤキモチを妬くではありませんかっ!!!?」
 すっとんきょうな主張を…、とユストクスは内心ヤレヤレと思いながら、言い返す。
「おやおや? 私は寧ろローゼマイン様以外でフェルディナンド様が妬かれる姿を見た事がありませんが。」
 言い換えれば、ローゼマインに関する事で妬く姿を見る、と言う事だがローゼマインには伝わっていない。しかしフェルディナンドには伝わった事は、僅かな表情の変化で伺える。それは過去の2人にも分かり、意外そうに、興味深そうに注視させる。
 そんな周囲を気取る事もなく、ローゼマインは力一杯に、或いは自信一杯に答える。
「フェルディナンド様の密偵ともあろう者がいけませんわ、分からないなんて。フェルディナンド様のヤキモチが主張するのは、『私の兄上を取るな』以外何がありますかっ!!!?」
 今も過去も関係なく、ユストクスとエックハルトは残念なモノを見る目になる。