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女体化ジルヴェスターの災難~腐女子の養女・前編~

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かくれんぼの終わり 10



 盗聴防止の結界の中に、カルステッド達が入る。ジルヴェスターは我が子達が座るのを待ってから、話し出した。
「ローゼマインが特殊な夢を見ている事は知っているだろう。此処にいるアリスはそれと同じ夢を持っている。」
 ジルヴェスターはまずそう説明した。前世とはまだ説明しない様だ。
「ローゼマインと同じ夢と言う事は…、神の世界を夢で見ていると言う事ですか?」
 ヴィルフリートが驚いている。
「その様に解釈して貰って構わぬ。唯、ローゼマインと違う処として、アリスは身食いの熱に蝕まれぬ術を編み出す事に夢を遣い、恐らくは神と同じ様に魔術を使える様になっている処だ。」
「神々と同じ様に!? それは詰まり…、」
 シャルロッテが魔術を思い通りに操っているのだと気付く。
「アリス、何か簡単なモノを見せてくれぬか?」
「畏まりました。」
 私は了承して、現象をイメージした。空中に瞬時に魔法陣が浮かぶ。
「うわあっ!」
 メルヒオールがその魔法陣に向かって浮いていく。そしてまた何事も無かった様に元の位置に下ろす。
「何故、寄りによってそう言う魔法を選んだのだ? 祝詞無しの全属性祝福とか出来るだろう?」
「お困りになったアウブのお顔を拝見したかったので。」
「丁寧に言えば良いと言う訳で無かろう。」
「可愛らしかったですよ。」
「………っ、」
 その後ろの意味を明確に受け取った様だ。
処でさっきからフィリーネの顔色が悪くなっているのは気のせいだろうか。
「さて…、アリスの魔力の使い方だが。」
 気を取り直してジルヴェスターが咳払いをする。
「彼女から伝授してもらう事になった。」
 その言葉にどよめく。
「アウブには既にお話致しましたが、魔力量が多ければ多いほど、加護や属性が得やすくなります。更に思い通りに魔力を操れば、祈らずとも気が付いたら持っていた、と言う事になりますね。」
 私が既に試した事実を付け足すとどよめきは一気に少なくなった。
 それを見計らった訳では無さそうだが、ジルヴェスターが続ける。
「少々特殊な方法故、試用例をまず作る。そしてその結果を理由に、私が後見となり、彼女を貴族にする。その後の功績次第で、彼女を養女にする。」
 あ、やっぱり。私はこの日、貴族になる事になった。

後編へ続く