女体化ジルヴェスターの災難~養父と母と娘~
フェル
異世界とは大きく分けると2種類ある。1つは完全なる別世界。例えるならローゼマインの前世から見た此方の世界、此方から見たローゼマインの前世の世界。もう1つは平行世界、パラレルワールドとも呼ばれるモノ。殆どが同じなのに、僅かに違う部分がある世界。
私がローゼマインとそんな会話をしたのは昨日の事。私は今、エーファとトゥーリに心配そうに見詰められていた。
私が激しく蠢く魔力に起こされ、圧縮して静めた時、仰向けの姿勢故に天井が見えた。とても汚く、ボロボロで、序でに見覚えが無い。
直ぐに起き上がったが、目に入るのは粗末な部屋で、壁には穴が空いているのか、隙間風を感じる。
咄嗟にシュタープを出そうとして――、出ない。シュタープが出ない。それだけでなく、身体が縮んでいる。不意に人の気配が感じた。隠そうともしていないので、警戒は若干低めだった。
「!! フェル、起きたの!!?」
嬉しそうに笑う姿は、トゥーリを彷彿させる。
「トゥーリ、フェルが気付いたの?」
「母さん、ほら!!」
後から来た女性はエーファ…、私が知るより若いが間違いない。
「良かった…、熱は下がったかしら。」
そうして2人が近付き、今に至る。
意味が分からない。私はローゼマインの言う処の、処理落ち状態だった。その間に幾つかの記憶…、と言うより知識の様なモノだったが、脳に入って来た。
私はマインの位置に居る…。
兵士のギュンターと染色職人のエーファとの間に生まれ、トゥーリを姉に持っている。名はフェル。
何故だ。
私が昨日まで過ごしていた世界は何処だっ!!??
作品名:女体化ジルヴェスターの災難~養父と母と娘~ 作家名:rakq72747