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神殿長ジルヴェスター(2)

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マイン視点



 私はマイン。今日、洗礼式を迎えた身食いの虚弱な子供。前世から引き続き、本が大好きな女の子だ。
 大量なグ○コなどのせいで、ぶっ倒れた私が迷子になって、道を知っている灰色の服を着た巫女さんに出会って…、そしてなんと!! 図書室を見つけました!! 
 喜びに満ちたのも束の間、神殿関係者しか入れないと言うので、巫女になることを決意しましたっ!!
 その気持ちを目の前の巫女さんに一生懸命に伝えると、な、な、なんと一番のトップ、神殿長さんに会える事になりました!!
 扉の向こうにいる神殿長…! 全身に力を入れて、扉を開いた。
「小さ過ぎて踏みそうでは無いか、其方…。」
 挨拶の前にそう言われ、一瞬固まった。
「シュミルみたいではないか。」
 大股で近付いてきて、目の前にしゃがまれた。
「ほ~れ、ぷひっと鳴いてみろ。ぷひっと!」
 頬を人差し指を押され、その強さに声が出る。
「いたっ、いたっ、」
「違う、ぷひっ、だ。」
 なのにうりうりと突つきを繰り返す神殿長に苛立ちが沸くが、グッと堪える。…頑張れ、私。
「ぷひ…、ぷひ…。」
 全ては図書室閲覧の為だ。
「何だ、これは?」
 あっ!
「か、返して下さい!」
「ほ~れ、取ってみろ♪」
 私の簪。家族の想いが詰まった大事な――、
「失礼します、神殿長…、何をなさってるんです?」
 頭が真っ白になりかけた時、新たに入室して来た2人の神官が、救い主となった。

 小学生男子な神殿長から取り戻した簪が、壊されていないかキチンと確認してから、私は髪を纏め直した。

 漸く面接になったけど、結論から言えば、本より大事な家族と離れなければならない事、下働きが虚弱な体では不可能になる事が問題になった。

 せめて聖典だけでも読ませて欲しい!

 心の中で血の涙を流ししながら、話をしていると、気が付けば身食いの件を口にしていた。
「身食い!!?」
 そこから突然慌ただしくなった。私は聖杯に触らされ、聖杯を光らせ、それを見た神殿長に、今すぐ両親と話がしたいと命じられた。

 神殿の待合室でルッツに会う。後ろには神殿長。ルッツは顔色を変えた。マイン、何やらかした、と書いている。
「其方、名は?」
「ルッツと言います…。」
 カチン、コチン、と固まりながら応えている。そんなに緊張する事もないけどね、中身はルッツの方が大人だもん。
「そうか、ではルッツ。マインの両親を呼んで来てくれぬか? 話がしたいのだ。」
「あ、はい。でも少し時間が掛かるかもしれません。失礼になる格好かも知れないので…。」
 お貴族様相手だからか、ルッツが本日の母さんはともかく、余り身綺麗ではない父さんの格好を思い出したのか言った。
「ふむ、左様か。では待っているので、頼む。」
 こうしてルッツには後で説明しろよ、と言わんばかりの目で見られてから、背中を見送ったのだ。

 待っている間は膝に乗せて貰いながら、聖典を読んでもらった。…ぐふふふ、幸福な時間…。

 両親と伝言板となったルッツが、一緒に来て、神殿長と話し合いが始まった。まず成り行きを簡単に説明されると、ルッツの考えなし、と言う呆れた視線が飛んで来た。
 理論整然と意外な説明力で私を神殿に欲しい、と言う神殿長に対し、青い顔色で、それでも無礼にもなる受け答えを私の為に行う父さんと母さん。
 言い分を聞いて、納得して。何処か遠くを見る様な顔になって、一線を引いてくれた。
 何だかんだで優しい人だと思う。母さんも信用出来ると思った様だ。
 神殿に通う事が決まって、細かい取り決めに入る前に、ルッツが口を出した。
 …皆、私に呆れる時は身分も立場も過ごした時間も関係ないんだね。
 後日ベンノさんに話を聞く事が決まったよ。…怒られるかなあ。
作品名:神殿長ジルヴェスター(2) 作家名:rakq72747