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神殿長ジルヴェスター(2)

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 ギュンターとエーファは随分、胆が座っておる。正直、貴族である私にここまで意見するとは思わなかった。
 私に慣れているフランやギル達ならばともかく、ギュンター達とは初対面なのだ。それもこれもマインを想う故に。
「マイン、其方は随分愛されておるのだな。必要ないと神殿に押し込められた青色にとっては、それも妬みの理由に成りかねぬ、か。」
 だから私は1つ引く事にした。
「ではギュンター、通いではどうだろうか?」
「通い?」
「マインの体調に合わせ、通える日に神殿に来て、魔力を奉納して欲しいのだ。場合によっては宿泊も認めて欲しい。そうすれば其方の目も届くであろう?」
「…分かりました。ただしマインが成人してからの行く末については勝手にお決めしないで欲しいです。」
 結論を出したのはエーファだった。娘を見て、私を見るその瞳には静謐の強さを感じた。
「承知した。」
 覚悟の重さを感じた。
「あのっ、聞いて良いですか?」
 …忘れておった。そう言えばずっと居たな。
「ルッツ、だったな。何だ?」
「マインは商業ギルドに登録してます。正式な見習いではないけど、旦那様と工房の話があって、公房長にマインをって…。」
「待て、それどう言う事だ、ルッツ!」
「聞いてないわよ、マインっ!!」
 両親さえ知らないらしい情報にマインを見ると、明らかにしまったと言う顔をしている。
「其方、もしや…、全て忘れて図書室の事しか考えていなかったのか?」
「あ、はは…、そうです。」
 貴族1人と平民3人、マインにとって他人と親と友人、それぞれ身分と立場の垣根を越えて、溜め息と共に頭を抱えたのであった…。
作品名:神殿長ジルヴェスター(2) 作家名:rakq72747