神殿長ジルヴェスター(3)
孤児院の子供達の様子を見たい、と言われた事があった。カルステッドのお蔭で、私の還俗企みは一旦止めて、遅らせながらも寄付金を随時贈られる為、それを孤児院の為にも使っていたのだが、どうやらそれを知られたらしい。
私の生活の為と、神殿そのものの為と銘打たれた寄付は、使用度の自由が高い。しかしながら、費用を出しているフェルディナンドが詳細を見たいと言うのを断れる訳も無い。
そして案の定、その日、泊まり込んだフェルディナンドに抱かれた。花捧げを呼び始めた頃でもあり、嫉妬していたのだろう。
…嫉妬されて嬉しいとか、可愛い嫉妬だと言える様な種類に落ち着くのは何時の話になるのか。
「あっ、あっ、ああっ!!」
ユストクス貸出の条件の裏には、私がマインを庇護する為に生まれた、これまた嫉妬だ。正直に言う…。何と面倒な男なのだっ!!!!
「敏感な処はもう治らぬな。」
うるさいやいっ!! さっさとイケっ!!
「女等、もう抱かせるものかっ!」
「ああああああっ!!!!!!」
'もう'って何だっ!!? 1度も抱いた事無いわっ!! 後、洗礼式迎えたばかりの子供にまで敵対しようとするなぁぁぁぁっ!!!!!!!!
この時、私は本当に知らなかったのだ。何の予兆も無かったのだ。
リーベスクヒルフェに結ばれた縁から紡がれた、ドレッファングーアの糸の先々に、ブルーアンファの舞いがある事も、光の女神が降り立つ事も、何1つ予測出来なかったのだ。
…と言うか出来なくて当たり前だがなっ!! 出来てたら変態だっ!! 断じて私は幼女趣味では無いっ!!!!!!
作品名:神殿長ジルヴェスター(3) 作家名:rakq72747