神殿長ジルヴェスター(3)
ユストクスからの情報は、私の頭を抱えさせた。ギュンター一家は4人家族であり、平民らしい生活を送っており、人柄は善良でごくごく普通――マインを除いては。
近所の評判によれば、虚弱でしょっちゅう熱を出して倒れて、外出する事は稀。エーファと親しい一家以外には、余り情報が無い。ただ隠している訳でも無い為、マインと関わる者を探して、聞き出せば直ぐに分かる。
統括すると、マインは相当な変わり者だが頭が良く、洗礼式前から門番の仕事を半分以上の割合で手伝えて、更に商会にも出入りしているらしい。
しかしながら大袈裟に言っているのだろうと言いながら、それでも情報が流れる近所とは違い、ギルベルタ商会からの情報は殆ど不明。近所とは対照的にマインを隠蔽していると思われる。だが確かに契約魔術もマインの名で行われており、更に私と関わってから直ぐに、結ばれた契約もあり、かなりマインを重要視しているのは分かる。
そこまでは良い。気になる部分はあるが良い。問題は重要視する理由…。その1つは水の女神によるものかも知れない、と言う事だ。ベンノに確認するべき事…。私は頭を抱えたまま、うんうん唸っていたらしい…。
作品名:神殿長ジルヴェスター(3) 作家名:rakq72747