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神殿長ジルヴェスター(4)

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ジルヴェスター視点



 マインの神殿入り日。神殿長室で複数の側仕えと共に迎えた。通いのマインには孤児院の長の部屋に与える事にし、そこにマインの私物を置かせた。マインは青色の巫女服とは別に、外出様の服がいるのだ。他にも色々とあるだろう。
 それに神殿の常識も貴族の常識も知らないマインには腰を据えて教えられる場所が必要だ。そして何より孤児院は私も目を配っている場所である故、マインを監督しやすい。
「では今から其方を巫女見習いとする為、誓いの儀式を行う。」
「宜しくお願いします。」
 香を炊きながら、神具や供物、貴色の説明を行う。
「では誓いの言葉を。」
 跪き、左膝を立てると両手を胸の前で交差する。マインが横に来て、同じ姿勢になるのを待つ。
「復唱せよ。」
「はい。」
「高く亭亭たる大空を司る――――」
 …相変わらず長い祝詞だ。途中途中で切って、マインの復唱を待つから余計に長く感じる。
「青は成長を促し、助ける火の神の貴色であり、」
 ああ長い長い。青色巫女の服を渡す。
「マイン、神の導きにより赴いてきた敬虔なる使徒よ。我等は君を歓迎する。」
 ふふふ…。マイン頑張れ。これから先、暗記する物が一杯あるぞ。
 因みに。決め手となる祈りポーズが、マインは筋力が弱いからか、決まらなかった。…暗記より先にこっちか。
「側仕えとなる者を紹介する。マインは通いになる為、私の側仕えから用立てる。」
 まあこれは様式美、と言う奴だな。
「側仕えのフラン、それから見習いのギルだ。また必要なら追って付け足す。」
「フラン、17歳。宜しくお願いします。」
「ギル、10歳。宜しくお願いします。」
「マインと申します。此方こそどうぞ宜しくお願いします。」
 改めて自己紹介させたのは、主と側仕えの関係になるからだが、どうやらマインは分かっていないらしい。
「マイン、其方は青の衣を纏うのだ、灰色神官にへりくだるな。」
「申し訳ございません、気を付けます。」
 どうやらまだ貴族には成りきれない様だ。言葉遣いと言う意味ではなく、態度が。まあおいおいフランが教えるだろう。
「孤児院長室に御案内致します。」
「お願いするわ、…フラン、ギル?」
 敬称を付けるか迷ったらしい。ギルがそれで良いと言う様に少し笑った。
作品名:神殿長ジルヴェスター(4) 作家名:rakq72747