逆行物語 第二部~ディートリンデ~
物語と現実(1)
“レーレンフェストには領主候補生が2人いる。1人はアウブ・レーレンフェストの第一夫人の子、シルヴェスター。もう1人は第二夫人の子、フェルナンド。2人は生まれた季節が違うが、歳は同じだ。”
…レーレンフェストはエーレンフェスト、シルヴェスターは現・アウブ・エーレンフェスト、フェルナンドがフェルディナンド様かしら。現実と設定が少し違うみたいだけれど。
内容を読み進めて行けば、母親同士の仲が悪い、洗礼式前に第二夫人を含め、一族が没落した事が書かれております。第一夫人に辛く当たられる状況を生む為でしょうか。
…立場上、お婆様になるのですが…、しかし名前が出ていませんし、この辺りは創作ですわね。気分が悪いですわ、全く。
…話を読み進めて行けば、シルヴェスターがフェルナンドを庇い、守っている事から2人が親しくなって行くのが分かります。
現実ではどうなのかしら? フェルディナンド様に聞いて見なければ分かりませんわね。
“そして2人は共に貴族院に向かって行く。そこで新たな出逢いを迎える。
………………。
「む、誰だ、あの美人! ああ!! フェアドレンナの雷に打たれた様だ!! リーベスクヒルフェの導きだ!! 今、私の胸はブルーアンファとエフロレルーメが手を取り合って舞っている!! ラッフェルが育ち行く!!
…決めたぞ、フェルナンド!! 私は絶対あの方を光の女神とする!!!! 頼む!! 協力を!! 我が眷族よ~!!」
その示す先におわしますのは、レーレンフェストより遥か上位のフレーベルタールの領主候補生、フロランツィア。シルヴェスターより2つ程歳上である。”
これは…、フレーベルタークの事ですわね。それにしてもアウブ・エーレンフェストはこの様な方なのでしょうか。この様に第一夫人に今でも夢中なのでしょうか。………え?
“異母兄より縋り付かれたフェルナンドは突発的にイヤだ、と叫びたい気持ちになる。心はシュネーアストが暴れ、吹雪に凍えて行く。
何故、この様な事が起こったのか、分からない。外面は何とか取り繕うも、吹雪の叫びは止まらない。
「私以外を見ないで。」
油断すればシルヴェスターにそう訴えてしまいそうだった。泣き叫びそうだった。ゲドゥルリーヒをフリュートレーネに奪われるエーヴィリーベの心が分かる気がした。”
えええええええええええっ!!!!!!?????
これは一体何ですの!!?? 有り得ない事ですわよねっ!!!! ま、まさか本当にフェルディナンド様は…!!
私は、私こそがフェアドレンナの雷に当てられた気持ちになりました。
更に震える指で本を読み進めて行きます。フェルナンドは自分の気持ちの正体を知らぬまま、懸命にシルヴェスターの為に、フロランツィアとの仲を取り持って行きます。領地内の根回しまで兄の為に動くのです。
作品名:逆行物語 第二部~ディートリンデ~ 作家名:rakq72747