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逆行物語 第三部~ローゼマイン~

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神の意思(2)



 最奥の間。光に満ちた場所。
「綺麗…。」
「奥はこうなっているのか。」
 既に誰ともすれ違う事もなくなってから、辿り着いた場所。私達3人きりだった。…あった、私の神の意思。
「兄様、有りました。」
 確かに一目見ただけで分かる。背中から降ろして貰った時、
「神に祈りを!!」
 ドパウッ!!!!
「神に感謝を!!!!」
 ドパトパウッ!!!!!!!!!!
 フェルネスティーネ姫から祝福の光が大量に飛び出した。最奥の間の一面統べてに満ちる光は、当然の如く、私と兄様にも降り注ぐ。
「「…………。」」
 唖然とする私達は、思わず顔を見合わせる。
「兄様、私…、」
「ああ言う感じだ。」
 のうおおおっ!!!! そりゃ周りが騒ぐよ!!!!!!
「え。」
 内面、動揺。外面、小声。そんな私達は見合っているので、互いの後ろが視界に入るのだが、兄様が何かに気付いたらしい。
「? どうしました?」
 私は後ろを振り返るが、特に変化は無い。
「…神の意思が…、ある。移動した…?」
 何と兄様の神の意思が、ここに現れたらしい。…ひょっとして祝福に関係しているのだろうか。そう思ってフェルネスティーネ姫を見ると、まだ土下座していて、声を掛け辛い。
「取り合えず、神の意思を取りましょうか。」
「う、うむ。」
 そうして私達は互いの神の意思の元へ向かう。
「頂戴致します。」
 神聖なモノを頂くのだと、自然と宣言する。手を添えると、自然と神の意思は取れた。抱え込んで、私は元の位置まで戻る。その私から一定の距離を空けて、兄様も戻って来る。その手にはやはり見えないが、何かを持っている。
「「……………。」」
 2人して、またフェルネスティーネ姫を見遣る。まだ土下座している。
 …もしかして仲人おばちゃんは“貴方は神を信じますか”教とか、或いは“貴方の幸せを3分祈らせて下さい”教の信者だったのだろうか。私の中で“転生者同士仲良くしたい”と言う気持ちが急速に冷えていく。
 “も・ど・り・ま・しょ・う”とゆっくり口パクで兄様に伝える。兄様はコクコクと頷いた。

 下りになった階段を兄様から一定距離を取って、降りていく。先に行く兄様は一定以上離れない様に、所々で私を待っててくれる。
 申し訳無いけど、神の意思を取って、フェルネスティーネ姫が追い付いて来る時を想像すると、先に行って良いよとは言い辛い。1人でフェルネスティーネ姫の相手はしたくない。
 私達は非常にゆっくりなペースで入り口へ向かって行った。…筋力増強が出来ないので余計に時間が掛かった。ごめんよ、兄様。

 待ち切れず、迎えに来たヒルシュール先生達と途中で合流した。フェルネスティーネ姫の事を伝えると、神妙な顔付きになる。
「分かりました。フェルネスティーネ姫の様子を見て参りましょう。」
 それを見送って、私達はまた、入り口へ向かって歩き出す。結局、フェルネスティーネ様は追い付いては来なかった。

 その夜、空を覆った美しい魔法陣から、沢山の祝福が舞い降りた。