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逆行物語 第三部~ローゼマイン~

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私の行く道



 そんな領内を養母様と母様に任せ、フェルディナンド様はツェントとの面会に向かった。
 それにより、エーレンフェストの行く先が決まった。
「ヴィルフリートは貴族院で特殊講義で医学を学びなさい。ローゼマインを支える為には絶対に必要になる。卒業は3年遅れるだろう。
 ローゼマインはツェントとジルヴェスターの星結びの儀式を執り行う。それからツェントは、君の専属に髪飾りを作って欲しいと依頼してきた。自らの分と、元・王族の女性陣に贈りたいと申されていた。
 最後にシャルロッテ、メルヒオール。ローゼマインは性質的にアウブには向かぬ。加えて社交能力が弱く、それ以外の能力が足り過ぎているが故に、問題が起こり易い。
 はっきり言うが、ローゼマインは魔力を礎に注ぐだけのお飾りアウブにした方が良い。領地の真なる礎が神殿にあるらしく、城にある礎は神殿にある礎に魔力を送っているそうだ。
 よって、ローゼマインがアウブになった際には、神殿で好きな事を遣らせようと思う。ヴィルフリートは卒業後、神殿でローゼマインの行う事を助け、実際の執務はシャルロッテとメルヒオールに任せる。つまりヴィルフリートが調整役となる。
 神殿には貴族が多く往き来する事になる。ローゼマインは平民に甘いが、貴族の中で泳ぐのを苦手としている。…ヴィルフリートはしっかり妻を監視する事になるだろう。」
 正直、一瞬、喜んだ。でも、その後ろにある意味を知らされる。平民とのやり取りを見張られる、と言う事は、商談で隠し部屋に籠る事も出来ないと言う事だ。それどころか、盗聴防止で話す事も許されないかも知れない。
 その他、魔力の属性の事や、中央含む、他領地との貿易、更にはアーレンスバッハとの統合が有り得る事まで話をしていたし、どれも大事だと解っていたが、頭には何も残らなかった。

 アンゲリカと私だけ残された。盗聴防止を渡された。
「フェルネスティーネ様は君が言った通り転生者だ。そして君が転生者である事に気付いていた。初対面時、君の反応で確信に至ったらしいが。
 彼女は君を通し、エーレンフェストを利用する気なのだろう。君からアウブの実務を取り上げたのは、なるべく内政干渉をさせぬ為だ。
 そして何より重大な事は、既に君が平民であった事を知られている。…平民の家族や繋がりは、守らなければならない君の弱点だ。
 私はエーレンフェストを第一に考えて来たが、アウブとアウブの補佐としてでは、立場が違う。立場が違えば遣り方も変えて行かねばならぬ。
 君自身がしっかりしなければ、中央に君の専属を奪われる事も考えられる。そうなった場合、フェルネスティーネ様が、君の専属を大事にしてくれるとは限らぬ。」
 私はフェルディナンド様が教えてくれた事実に、愕然とする。それでも…、
「だから…、強くなるのだ、ローゼマイン。君がどの様に平民と接しても文句を言わせぬくらいに。平民との繋がりこそ、君の武器になる様に。」
 それでもその言葉は耳に入った。拳を握る。そうだ、強くなるんだ。お飾りでも何でも、私がアウブなら、契約魔術だって無効化出来る。

 もう1度、家族として過ごせる日を取り戻すんだ。

続く