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逆行物語 第三部~ローゼマイン~

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寝台会議



 気が付いたら、私は寝台の中だった。
「大丈夫ですか、ローゼマイン。」
「養母様…。ここは…、」
「ヴィルフリートの隠し部屋です。フェルディナンド様のご指示です。」
 兄様の……。周りを見回すと、養母様だけでなく、兄様やシャルロッテ、メルヒオールもいる。そして父様も。
「私だ、ヴィルフリート。」
「はい。」
 外から声がして、フェルディナンド様とエックハルト兄様、ユストクスが入って来た。
「気が付いた様だな。薬を持ってきた。飲みなさい。」
「はい…。」
 皆が軽く顔を顰めている。私も同じだろう。…酷い臭いだ。味は言うまでもない。
 フェルディナンド様がぐるり、と見渡して言った。
「これからの事だが。3日後に私はツェントと面会する。これからについて話があるそうだ。
 元は下位領地で、偶々政争で中位に上がったエーレンフェストには重すぎるが、上位に押し上げられるだろう。
 神殿の復興と言う意味でも、王配と言う意味でもエーレンフェストはツェントにとって、重要視されている訳だ。
 既に内政に干渉されている事を踏まえて、これより先も様々な事柄に踏み込まれると思うべきだ。覚悟しておいて欲しい。各々弱味を握られぬ様に、用心して欲しい。…続きは3日後に。」
 私達は一旦解散となったが、3日後の爆弾に、誰もが思いを馳せているだろう。
 その思いを馳せる3日の間に、アーレンスバッハの主だった貴族達は捉えられた。ゲオルギーネ様は処刑されたそうだ。恐らく内偵が入っていたのだろう。信じられない程の早さだった様だ。…お陰で名捧げの影響で、エーレンフェストの貴族が数人、急死した。