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逆行物語 第四部~アーレンスバッハ~

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ゲオルギーネのとある側近視点~最期~



 エーレンフェストから嫁入りをしたゲオルギーネ様に支え、随分とドレッファングーアは糸紡ぎをされました。
 アーレンスバッハの習慣により、名を捧げました事に、その糸を解きたいと願い出したのは何時頃からでしょうか。
 逆らえず悪事に手を染める私の救いは、アウブやその周囲がお気が付きにならない事でした。私は何時も脅えておりました。
 皮肉な事に、秘密裏に集め始めていた、必要以上の魔石化毒(群れで人を襲う魔獣退治に使う為、多少はランツェナーヴェから買ってはいました)や、アウブが扱いに困るからと買い付けを断った銀製品の所持が暴かれた時、もう脅えなくても良いと思ってしまいましたが。
 ゲオルギーネ様を裏切れば、一族は助けると言う言葉に、私は主を捨てました。

 エーレンフェストからアーレンスバッハに入ったあの景色が最後になるからと、目に焼き付ける様に致しました。私以外の側近もそうでしょう。
 そうして私は馬車内に魔石化毒を投げ入れる騎士の背中を視界に修めました。

 こうして私の一生は終わったのです。

続く