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逆行物語 真五部~ローゼマイン~

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カーオサイファとのお茶会



 そこでカーオサイファは何かに気付いた様に、表情を変えた。
「ごめんなさい、話がズレたわね。要は神の都合で人の世は、何度も時間を戻されているのよ。只、今回は少し事情が違う。」
 悪戯するみたいな顔が、妙に可愛らしく見える。
「私もまあ、今回の事で調べたりはしたんだけどね…。まだ誰にも言ってなかったけれど。」
 そこでお茶を一口。
「ねえ、ローゼマイン。何故、モトスウラノがこの世界に生まれ変わったと思う?」
 問われて、私は漸く口を開いた。
【そう言われても…、私が未練タラタラで死んだからではないのですか?】
 そんな事で生まれ変われるなら、異世界転生パラダイスだけど。私が適当に言ったのが分かったのか、それとも別の理由か、カーオサイファがクスクス笑う。
「単なる偶然よ。」
【身も蓋も無いお答えですね。】
「でも確実に、神が時間を巻き戻さなければ、貴方はこの世界に来なかったと言える。」
【え?】
 私は目を丸くしていたと思う。
「さっきも言ったけど、この世界は本来の姿から歪ませられているわ。その歪ませられたまま、時を戻されると、時空の歪みが大きくなって、時にヒビが出来る。
 まあ自己修復するのだけどね、治り切る前に、それに巻き込まれて、異世界の壁に傷がいって、そこから道が数瞬出来て、その道を通って、異世界の魂がやって来てしまった。
とまあ、そう言う場合があるのよ。」
 思っても見なかった事に、私は口元を押さえていた。
「モトスウラノの魂は、この世界には異物。居場所なんて無いから、漂う間に誰かに気付かれ、故意に時空を開けて、元の世界に戻される。それが普通なんだけど…、これまた偶然が重なったのよね。」
 ふふ、と微笑んで続けられた。
「神の降臨によって、神と直接接触する時は、その神の管轄する場へ招かれる。それは当然、死んだ魂が昇る場所とは違う。
 モトスウラノは偶然にも、死んだ魂の集会場に紛れ込んでしまった。そして偶然にも、モトスウラノと相性が良い魂があって、その魂に寄生してしまった。」
【き、寄生っ!?】
 声を上げた私に、カーオサイファは頷く。
「死んだ魂はその専用の場所に昇り、そこで生前の記憶を解放する。解放された記憶は自動的に、世界の記録に移され、生前、一定以上の魔力がある者の記憶が、グルトリスハイトへ写される。因みに巻き戻った結果、消えた歴史は意図的に省かれる。
 そして記憶を失った魂は、再び生まれる為に魂を休める。十分な休息を取る事で、魂の体力を取り戻し、輪廻の輪に入るの。この時から、出産の女神エントリンドゥーゲの管轄に入る。
 モトスウラノが寄生した時、その魂は記憶消去後ではあったけど、休息は十分では無かった。でも寄生したモトスウラノの魂の持つ体力と重なって、生まれ変わる準備が出来たと誤認してしまい、輪廻の輪に入り、偽りはエントリンドゥーゲの目から逃れ、マインが産まれた。

 でも、ここで問題が起こった。

 モトスウラノは異物。魂の体力を誤魔化せても、本質は変わらない。異物を受け入れた魂の容れ物、つまり肉体は傷だらけになってしまった。

 ――有り体に言えば、虚弱と言う事ね。」

 私は虚弱の原因は、身食いで何度か死に掛けて、魔石が体内にゴロゴロ出来たからだと思っていた。そうじゃなかったの?