逆行物語 真三部~麗乃=マイン~
戴冠式 後
「アーレンスバッハはランツェナーヴェと通じている。新たなツェントをランツェナーヴェより迎え、その報奨に、アイゼンライヒとして近隣領土を奪う気であった。既にアーレンスバッハに陥落し、従う者もおった様だ。
…その中で良くもまあ、大領地の内政侵略を、元下位の中領地がはね除け続けていたものよ、味方する領地も無い中で。大変であったろう?
アウブ・エーレンフェストよ。」
「褒めて遣わす。」
「ツェントとしての言葉が重いのなら、妻としての言葉ならどうか。」
「これより私はアーレンスバッハへ赴き、反逆者を捕らえ、ランツェナーヴェの商人を追い返し、門を閉めなければならない。
幸い、ランツェナーヴェ側の首謀者はユルゲンシュミットにはまだ入っておらず、今ならば戦にならない。」
「その前に残りの王命を伝える。」
「最後に我が配偶者に関する王命を出す。」
「我が配偶者を、ジルヴェスター・エーレンフェストとする。たった今より、現・配偶者との離縁を申し渡す。」
「エアヴェルミーン様は政争を繰返し、正しき道を失った王族を認めてはおらぬ。故に王配は王族以外から選ばねばならぬ。
更に先だっての政争が長引いた原因には、周囲の領地の判断にもあるとされた故、中立を保ち、政争から距離を置いたエーレンフェストより選ぶべし、とのご意見だ。ただエアヴェルミーン様が認識出来、尚且つ性別が男性であるのは、アウブ・エーレンフェストである其方と、護衛騎士であるカルステッド、それから神官長であるフェルディナンドの3名のみ。その中での選択ならば、其方しかおらぬ。」
「カルステッドは身分の差がある。今から領主候補生にする等、不可能。外しか無い。
フェルディナンドは、エアヴェルミーン様との魔力の相性が悪いらしく、嫌われている。どうしようも無い理由なので撰ぶな、とは言われなかったが…、そう言う理由だ。消去法で残るのは其方だけだ。」
「…私としても、神殿の復興の為にも、エーレンフェストと縁を繋いでおきたい。関係を深めたいのだ。」
「王命を続ける。フェルディナンド、たった今より其方がアウブ・エーレンフェストだ。中継ぎとして全力を尽くせ。そして、次期アウブをローゼマインに。ジルヴェスターの血を残す為、長子、ヴィルフリートを配偶者とせよ。権力移項が速やかに行われる様、フロレンツィアは其方が娶り直せ。」
「ジルヴェスター。」
フェルネスティーネぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
真実に嘘八百を混ぜる事も、神様との交渉術も、エアヴェルミーン様の移動も!!!!!!!! 全部どーでも良いよっ!!!!!!!!!!!!!!
フェルディナンドと養父様に何て仕打ちをっ!!!!!!!!
何でっ!!!!!!?????? 何でそこまでして、養父様を婿にしたかったの!!!!!!!!??????
どうしてぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!!!!????????
作品名:逆行物語 真三部~麗乃=マイン~ 作家名:rakq72747