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逆行物語 真三部~フェルネスティーネ~

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知識の正体



 私がカーオサイファ様の眷属になったのは4才頃だった。眷属になると言う事は只の人間である事を止めると言う事に等しい。言うなれば、半神、それが今の私だ。
 カーオサイファ様は麗乃には言っていなかったが、知識も偽物もカーオサイファ様の御力で作られていて、言わば神力が篭っている。だから知識を持った私は、身の内にカーオサイファ様の力を飼っており、肉体はそれに耐えられる様に変化せざるを得なかったのだ。故に今の私は半神なのである。
 只、本来、眷属になるには其を主以外の神に認められなければならないので、正しくは人間よりの半神である為、本物の半神に比べれば、大きな違いがある。
 先ずは魔力。半神の魔力は主の神力を帯びる為、常に神力を纏っている状態だ。つまり常に神が降臨した直後の肉体状態である。人の目にはさぞ神々しく映るだろう(カーオサイファ様が主であれば、禍々しいが付くだろうか)。
 因みに人が神の眷属になると言う事は、人間同士で言えば、名捧げに当たるので主には逆らえない。
 …そして重要なのは肉体が変わる、と言う事だろう。平たく言えば不老長寿になる。神が認めなければ死ぬ事さえ出来ない。致命傷を負っても、それが神によるモノでない限り、回復・再生する。
 人間よりの半神である私は不老のみなので、致命傷を人に負わされれば死ぬ。魔力も本来の半神が帯びる神力に比べれば、纏っていないのも同然なので、精々属性を受け継ぐのみである(因みに全ての神は得意属性が極端に強いだけで、全属性)。
 魔力量に関しても、半神が主の神力を借りれるのに対して、人よりの半神にはそれが無理なので、結果、自分の魔力が命だ。
 只…、カーオサイファ様の眷属になる事で、グルトリスハイトから削られる知識も、カーオサイファ様が禁止しない限りは閲覧可能なので、努力をすれば補える。
 尚、カーオサイファ様が禁止するのは御自身に関する事なので、神々の事情やカーオサイファ様が何を企んでいるかは解らない。
 半神の扱いを思えば、人よりでも神との交渉は出来るだろうけど、主や主と親しい神に対しては話が別だ。少なくとも100年くらいは主と付き合わなければ、おいそれと意見は出来ない。