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逆行物語 真三部~フェルネスティーネ~

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知識を受け継ぐ者の選択



 …4才の私が背負った神力についての理解は、これで良いだろう(一旦は)。問題は知識。単なる閲覧可能な知識は言わば辞書なので、それこそより良いグリトリスハイトみたいなモノなので、問題無いが、私の内部に刻まれたローゼマインの知識は違う。それは思い出と同義だ。勿論、自分の思い出ではない。あくまで心理描写が細かい主人公視点で画面が切り替わる、シュミレーションとアドベンチャーが混ざったゲームを思い出している感覚だ。
 他人事でありながら、我が事の様にその思い出に触れる、理解出来ると言うのはかなり精神的に負担だ。
 考えて見て欲しい。4才の子供が22才以上の知能をいきなり持って、変化が無い訳が無い。しかも22才以上の人格がある訳ではなく、マインと麗乃の様な影響の受け方は出来ない。
 つまり、私は4才の私を下地にしながら、急激に大人にならなければならなかった。
 しかし麗乃の知識に成人した私は居ないので(後にカーオサイファ様の知識を閲覧して知ったけど、私、死んでた。カーオサイファ様の眷属になっていたから今回は生きているけど)、それ以外の知識から、大人にならなければならなかった。が、4才の子にとって大人とは何だろうか。それも自分がなりたい大人って…。

 4才の私の答えは、ラオブルート、だった。

 何故なら私にとって、ラオブルートのみが、身近で好意を持てる味方だったからだ。そう、少なくとも物を知らぬ私の足を開かせ、言葉巧みにラオブルートに秘密を通させたロリコンジジイ等、論外だ。
 しかしラオブルートは男性だから、それでは不十分だ。だから彼の身近な女性で、麗乃の知識にある人を選ぶ必要がある。でもラオブルートの最も身近な女性って言っても、ラオブルートが大事にしていないと思わせるのは無意識に弾いていた。

 結果、私が選んだのはゲオルギーネ、だった。

 拙い判断が選んだ参考人をより深く知る為、カーオサイファ様の知識に入り込んで、更にジェルヴァージオ、レオンツィオの情報までを取り込み、私は大人になった。

 …なってしまった。立派な人格破綻者に。取り繕えるけど…。

 4人を参考に大人になった私は幾つかの特徴を受け継いでいた。

 ラオブルートからは尽くし属性を。

 ジェルヴァージオからは王座への野望を。

 レオンツィオからはモノの考え方(参謀的な頭脳)を。

 …最後に、ゲオルギーネからは特定の人物に対する歪んだ好意を。

 それが4才(幼児)の私の上に乗るからか、細かな詳細までは受け継がず、凡てを成り立たせる事が出来た。
 私が大事にしたいラオブルートの為に、ツェントになって、大きな名誉をあげたいし、でも、それは懸想とは別だ。
 更にそう言うツェントになる為、知略を尽くし、私の敵となるジェルヴァージオ一味に情けを掛けない。

 だから、歪んだ好意は邪魔にはなる事はなく、共存出来る。

 ゲオルギーネの歪んだ好意の対象…、それは、ジルヴェスター・エーレンフェスト、だ。
 ゲオルギーネは元々、実弟に対して性的対象として、好意を持つ歪んだ人格だ。そこにアウブを奪われた事実が重なり、憎悪に染まった。

 麗乃は知らないが、カーオサイファ様は存じている。

 ゲオルギーネがジルヴェスターに遺した最後の辞を。

 “愛している”、と言う辞を。

 私が受け継いだのは、憎悪に染まる前の好意。歪みまくった懸想だ。

 で、人格破綻者の私は、受け継いだモノを叶えて生きる道を選んだ。