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逆行物語 真三部~フェルネスティーネ~

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人格破綻者による、嫌がらせの為の日本の説明



 「貴方は、モトスウラノをどう思うの?」

 未知なる世界を理解出来る筈が無い。それを理解出来ず、自分の常識に当て嵌めるなんて、なまじ優秀だからでしょうね。天狗になっている、と言うべきかしら?
「…ユルゲンシュミットの貴族社会とは全く違う価値観の、本と学問を愛する世界で育ち、不慮の事故で無くなった、優秀な女性だと判断しています。」
「そう。ならば貴方はエーレンフェストを滅ぼすわね。」
 取り合えず、その高い天狗っ鼻をポッキリ折らなくてはね。勘違いしたまま動かれるのは、嫌がらせ的にも、執政的にも困るもの。
 …フェルディナンドは害悪だと強く主張したヴェローニカは正しいけれど、無理が通れば道理は引っ込むもの。可哀想に…。今、彼女に権力を持たせるのは、それこそ無理だから、私も力になれないのよね…。
「私は…、このユルゲンシュミットと言う国がある世界ではなく、神の存在も分からず、魔力の無い世界で、200近い数の国がある中、日本と言う国で生きていた記憶があるの。
 その世界の国は全て、政治や経済等で繋がり、良くも悪くも影響を及ぼしあっていたわ。
 日本はその中で先進国と呼ばれる、文明の進んだ国だった。民主主義と言う政治を、此方で言う平民達が行っていた。身分差は無いけれど、それでも此方の王侯貴族に位置する皇族と言う、日本の象徴として以外、何の権力も持たない一族が居る。
 そして皇族も平民も、一般人と向こうでは言うのだけど、出生時から国民として認められる。
 7才になれば、働くのではなく、学校と言って、学問を学ぶ機関に通うの。国が定める15才と言う年齢まで。
 それ以降は本人の希望で道を選ぶ。職業はとても多く、けれども専門知識や高等知識がいる場合が多い事もあってか、大抵は18才までは学校に通い、15才までで学ぶ知識より、深い知識を学ぶわね。
 人によってはそれ以降も学ぶ事を選ぶ場合もあるわ。例えば医師の職業を選ぶ人は、その為に受ける幾つかの試験を最短で合格したとしても、24才まで学校に通うし、医師になれても最初の2年間は見習いだわ。
 それから成人年齢は20歳。結婚可能年齢が女は16歳、男が18歳。でも実際には30に近い年齢で結婚する場合も多いわね。もし16歳と18歳で結婚となれば、赤ちゃんが出来たのが先かな、と思われるでしょう。因みに赤ちゃんが先って言う現象事態はそう珍しい訳でも無いわ。16歳と18歳で結婚処か婚約だって異常だけど。
 あ、後、一夫一妻制度。夫1人に妻1人。愛人なんて持ってバレたら、男も女も離婚対象、慰謝料だって請求されるわね。
 嫁姑問題も離婚案件になったりするわね。ユルゲンシュミット基準の夫は、日本基準では母親に依存する幼子扱いで、結婚する資格の無い最低男に分類するだろうから、離婚され易いと思うわ。
 直ぐに思い付く程度の障りだけでも、日本とユルゲンシュミットの違いはかなりあるわ。一応、確認するけど、ローゼマインから聞いてる? モトスウラノの居た日本に付いて。」
「いえ…。」
「そう。じゃあ今、考えて。日本の価値観と常識が、どれだけユルゲンシュミットで足枷になるか。
 ……ローゼマインに同情は禁物よ。」
 良い傾向ね。価値あるのは、現代日本の文明であって、ローゼマイン自身は無能(フェルディナンドが嫌いな、ぷっ!)な変人であると認識して貰わないとね。