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グリモア~みんなと一緒なら~エピソード1

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「なるほど、わかったわ。私は宍戸結希。検査をするから、そこに座って待ってて。」
そういわれて、席に座ると、手に腕のあたりまで伸びるセンサーをつけられた。
数秒後には目の前のモニターに自分の手の影のようなものが映し出された。
「おかしいわ…」
結希が不思議そうに言った。振り向くと後ろで智花も驚いているようだった。
「どうかしたんですか?」
僕が慌てて聞くと
「あなた、魔力量がほぼゼロなの。一般人でも多少魔力を持っているのだけれど、あなたにはそれがない。今まで魔法使いとしてここに連れてこられた人にこんなことはなかったわ。」
「つまりそれは魔法が使えないってことですか?」
「断定はできないけど…調べてみる価値はありそうね。魔力が見れない限り、あなたの属性もわからないわ。今後も定期的にここに来てもらいたいわね。」
心配そうな僕の表情を見てか、智花が話しかけてきた。
「ま、まぁ次の場所に行きましょう!きっと気に入ると思いますよ!」
そう言われて席を立とうとしたとき、
「宍戸さん!居る?」
男の声が聞こえた。すると、なぜか智花が恥ずかしそうに結希の後ろに回った。さっき自分が入ってきた入り口から、見た目はあまりぱっとしないけれど、優しそうな顔をした同級生くらいの男が入ってきた。
「あら、笠置さん。検査の時間ね。」
それから結希は何か思いついたような顔で続けた。
「でも、今日は少し試してもらいたいことがあるの。」
「試してほしいこと?」
「ええ。彼に魔力譲渡をしてもらえるかしら。」
「えっと、きみはあたらしい転校生?」
「うん。今日転校してきたんだ。」
「僕は笠置佑也。僕もこの前転校してきたばかりなんだ。この学園は男子が少ないから友達になってもらえたらうれしいな」
裕也は笑顔で手を差し出した。
「是非!よろしく頼む!」
裕也と僕は力強く握手をした。その瞬間…
体が一気に熱くなり、今までに感じたことのない力を感じた。
それと同時にモニターの僕の手に白い粒がたくさん湧き出てきた。
その下に書かれていたFireやWater、Thunderなどの横の0%の文字が一気にすべて100%に跳ね上がった。
「どういうことなの…」
また結希が驚く表情を見せる。
「普通、100%まで到達するのは1つだけのはずよ。あなたは、魔力をもっていない代わりに全部の属性の魔法が使えるってことなのかしら…初めて見るタイプだから、実際はどうなのかわからないけど…」
すると、裕也がまた笑顔で話しかけてきた。
「僕も君と一緒で周りと違うんだ!僕はさっきみたいに他人に魔力を譲渡することができる代わりに自分自身では魔法が一切使えないんだ。もし、このデータが正確だったら僕と君がコンビ組んだら最強なんじゃないか?」
確かにそうかもしれないと思った。僕はゲームで言えば、全タイプの攻撃ができる超万能のキャラと同じなのではないか?
「僕たち、最強コンビになれるかな?」
「きっとなれるさ!」
僕と裕也はもう一度強く握手をした。今度は、希望と2人の決意も合わさってさらに心の奥から熱く感じた。
なんだか、本当に楽しくなりそうだ!僕はこの先に待ち受ける困難を知らず、ただ未来への希望と夢を持っていた。


――To be continued――