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機動戦士ガンダムRSD 第29話 ステラ

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 ベルリンは、火の海になっていた。
人々は、当てもなく逃げ迷っていた。
小さな子供たちが両親と逸れ泣きながら両親を探していた。
そんな人々にステラ少尉は、ネフェルテム503を撃ち焼き殺したり塵のように吹き飛ばした。
アウフプラール・ドライツェーンで町を消した。
モビルスーツ隊は、対空対地監視を続けていた。
そして6連装多目的ミサイルランチャーでまだ破壊されていない箇所を攻撃した。

                                    ※

 ジブリール大統領は、その光景をモニターで見てとてもご満悦で高笑いしていた。
「どうです?
圧倒的でしょ、わがデストロイは」
 ジブリール大統領は、デュランダル大統領と映像電話で会談を行っていた。
「たしかに。
これの大量生産体制が整えばこの戦争を逆転できがいつ大量生産に入る?」
 デュランダル大統領にとって今一番知りたかったのは、それだった。
「もう量産体制準備は、始まっています。
後数日のうちに配備され始めるでしょう」
 ジブリール大統領の表情は、勝者の顔だった。

                                     ※

 ネオ大佐は、ぼおっとしていたが不意に鳴った接近警報のアラームに現実に帰った。
モニターで拡大してみるとアークエンジェルだった。
「アークエンジェルか」
 ステラ少尉は、それに関係なくネフェルテム503で町を破壊した。
 そのときネオ大佐にガーティー・ルーから通信が入った。
「敵艦隊接近中。
あの艦隊です」
 オペレーターが緊迫した声で報告してきた。
「了解」
 ネオ大佐は、通信を切るとデストロイガンダムに接近した。
「気をつけろ、ステラ」
 ネオ大佐は、デストロイガンダムに通信を開いた。
「ネオ」
 ステラ少尉もそれに気づき答えた。
「怖いものが接近中だ。
気をつけろ」
 そこで通信が切れた。
「何であろうと」
 ステラ少尉は、デストロイガンダムの可変ボタンを押した。
「私は」
 デストロイガンダムは、デュアルカメラを赤く光らせゆっくりとモビルスーツに変形した。
その光景にアークエンジェルのブリッジのクルーとスティング少尉が驚いた。
この形態になると一部の火器が使える代わりに一部の火器が使用不能になり、飛行できなくなる。

                                      ※

 アークエンジェルのブリッジのクルーがわが目を疑った。
「これは、モビルスーツ?」
 ラミアス艦長は、驚いていったがほかの人々はあまりの衝撃に言葉がでなかった。

                                      ※

 デストロイガンダムは、着地した。
そしてスーパースキュラを撃って破壊活動を再開した。

                                       ※

 キラ准将は、改修型フリーダムガンダムで出撃したがあまりの理不尽さにディスプレイを両手でたたいた。
「こんなこと許されることないのに」
 キラ准将は、止めたい気持ちを必死でこらえていた。

                                        ※

 ステラ少尉は、5連装スプリットビームガンで町を破壊した。
さらに腕部を分離して5連装スプリットビームガンで撃って死角部分の破壊活動も念入りにやった。

                                       ※

 コロニーの軍本部では、未確認大型モビルアーマーの破壊活動よりも諜報部の活動報告やオデッサ付近による不審な動きを監視していた。
「今のところオデッサ基地にて異常は、発見されていません」
 幹部の1人が報告した。
「よし、引き続き厳重警戒しろと報告を。
諜報部の連絡は、まだか?」
 幹部の1人は、やはりオデッサ侵攻を警戒していた。
「敵の目的は、ユーラシア西部地域の弾圧とオデッサ基地への工作部隊の潜入でしょうか?」
 幹部の1人は、地球軍の狙いがオデッサ攻略なのか疑問に感じていた。
「しかし自分たちの国民を陽動作戦のための犠牲にするとは、正気か?
地球軍は」
 幹部の1人は、地球軍の狂気に恐怖を感じていた。
「ベルリンを含めて三都市が壊滅状態です。
もう我慢できません。
これ以上の犠牲を出さないようにオデッサの戦力を投入すべきです」
 1人の幹部が立ち上がり国防大臣に意見した。
しかし国防大臣は、首を縦に振らなかった。
「だが行ってどうする?
あれだけの巨体だ。
火力と防御力は、ガンダムサイガーをはるかにしのぐ。
あれだけの重火器の雨をかいくぐって接近できればまだよいがその前につかまったらどうする?
たちまち全滅するぞ」
 立ち上がっていた幹部が冷静さを取り戻した。
「α艦隊は、今どこにいる?」
 国防大臣は、α艦隊の位置を聞いた。
「すでにベルリンに向かって進攻中です。
しかしいくらあの艦隊でもこれだけの戦力を相手に一艦隊で戦って無事ですむかわかりません」
 1人の幹部は、α艦隊が無事で済むとは思ってなかった。
「かもしれない。
しかし信じようじゃないか」
 国防大臣は、立ち上がって叫んだ。
皆が国防大臣を見た。
「ここでオデッサ基地から戦力を割けば敵は、好機と見てミノフスキー物理学を奪取するかもしれないぞ。
それを防ぐためにもわが軍で今現在地球にいる一番早いあの艦隊にすべてを託すしかないんだ。
敵のミノフスキー物理学の奪取は、決して許されることはないのだ」
 幹部たちは、押し黙った。

                                        ※

 α艦隊は、燃え盛るベルリンに着いた。
「目標まで後40」
 操舵主が目標までの距離を報告した。
「光学映像はいります」
 モニターに敵の機動兵器が映った。
「索敵終了。
敵はアーガマもどき、ボギー1、ボギー2、ハンニバル級一隻、レセップス級一隻、モビルスーツおよび戦闘ヘリ多数、それに一機アンノウンがいます」
 ヘルマン中尉が報告した。
「やつだ」
 ヘルマン中尉の報告にマーカー艦長が反応した。
「ほかのモビルスーツは羽付きガンダム、緑色ガンダム、換装合体ガンダム、ディン、バクゥ、ゲイツR、ジン、新型モノアイ、量産型可変機、新型戦車もどきが多数です」
 ブリッジの皆の表情が暗くなった。数が多い。
覚悟は、していたがその予想をはるかにしのいでいた。
「第一戦闘配備。
マン・マシーン隊に発進命令を出せ」
 マーカー艦長は、決心した。
今自分たちが何をすべきかを考えての命令だった。
 サオトメは、ガンダムサイガー改に通信を入れた。
「体調のほうは、よろしいのですか?」
 サオトメは、サイジョウ元帥の体調を気にしていた。
「バカにするな。
たとえ二日酔いでもやつらを倒すには、十分だ。
それよりも自分の相棒の心配をしたらどうだ?」
 返ってきたのは、サイジョウ元帥の怒声だった。
「そうですね」
 サオトメは、通信を切った。
(今は、自分の心配をしろか)