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機動戦士ガンダムRSD 第30話 示される世界

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彼らが驚いた本当の理由とは、自分たちが行った破壊行為をさもコロニー軍がやりましたと国民へ誤った情報を流した戦略作戦にあった。
諜報部からは、地球軍の不穏な動きは確認されなかったため彼らは完全に出鼻をくじかれた状態だった。
「この艦隊は、何の勧告もなしに突如攻撃を始め逃げる間もない住人ごと町を焼き払いました。
なおも侵攻しました」
 皆は、神妙な表情でこの映像とメッセージに耳を傾けていました。

                                      ※

「われわれは、すぐさまこの艦隊の攻撃の阻止と防衛線を行いました。
残念ながら多くの犠牲を出すことになりました。
侵攻したのは、コロニー軍でされたのは地球の平和な都市です」
 アスラン准将とルナマリア少尉は、人ごみを掻き分けてモニター前に行った。
「なぜこんなことになったのか?
コロニー側の目的は、地域をわれわれ地球軍からの開放ということですがこれが開放なのでしょうか?
こうして住人ごと焼き払うことが」
 地球の地球軍に所属していない国家と大西洋連邦とユーラシア連邦以外の地球連合所属の政府は、映像によって戸惑いを隠せなかった。
「確かにわが地球軍は、コロニー軍が言っているとおりかなり広い地域を手中に治めています。
しかしそれは、軍事力による強行ではなく対話に協力です。
ただ戦うだけの日々に終わりを告げ自分たちの平和な暮らしを取り戻したいと戦場に行かずにただ愛するもののそばにいたいと願う人々をわれわれは、これからも支援しこれからもします」
 映像が切り替わり焼け野原となった町が上空から映し出された。
そして家を失い失意のどん底にたたき落とされた人々を移す映像に変わった。
「あのコロニー軍の艦隊が何もかも焼き払って行ったのよ」
「敵は、コロニー軍だ。
あんな野蛮なナチュラルは、さっさとこの世から消したほうがいい。
うそだというなら見に来てほしい」
 カメラは、被災した人々のインタビューを報道した後義勇軍で自動小銃を手に打倒コロニー軍を誓う人々を放送した。
「なのにコロニー連邦共和国政府は、和平を望むわれらの手を跳ね除けました。
このきっかけにもなったサイド7のグリーンノア襲撃事件もテロリストが地球軍の機体を使っただけなのにそれだけでわれらにあらぬ容疑をかけて戦争になったのです。
いいえ、その事件さえコロニー軍の自作自演だったかもしれません」

                                       ※

 軍上層部では、早速責任問題が話し合わされていた。
「どういうことかね?
諜報部からの情報もないしあの巨大可変型ガンダムの破壊行為をわがコロニー軍のせいだと言われているぞ」
 幹部の1人が現状を言った。
「これは、明らかに諜報部部長の責任問題ですな」
 幹部の1人は、この責任が諜報部にあると結論した。
「しかしこの先の手はどうするのかね、ギルバート・デュランダルは」
 皆の顔は、不安と恐怖の表情だった。

                                       ※

 映像は、α艦隊でも流れていた。
皆は、巨大モニター前でその映像を見ていた。
映像は、再びα艦隊が町を破壊するシーンに変わった。
「あの巨大可変型ガンダムがいない」
 しかしデストロイガンダムの部分は、放送されていない。
そしてα艦隊が撤退して行った。
「なぜですか?
なぜこんなことをするのですか?」
 デュランダル大統領は、両手で机をたたき立ち上がった。
「平和など許さないと、戦わなければならないと誰がなぜ言うのですか?
なぜわれわれは、手を取り合ってはいけないのですか?」
 興奮するデュランダル大統領は、何とか自力で落ち着ついた。

                                       ※

「このたびの戦争は、確かに私たちコーディネーターの支配政策が招いたものかもしれません」

                                       ※

「それをやめなかったことによるあまたの悲劇。
私たちも忘れは、しません。
被災された人々の悲しみや苦しみは、なお深く果てないでしょう。
それがまた新たなる戦いへの引き金を引いてしまったのでしょう。
仕方のなかったことかもしれません。
ですがこのままでは、いけません。
こんな討ち合う世界では、安らぎはないのです。
果てしなく続く憎しみの連鎖や苦しさを私たちは、十分に知ったではありませんか。
どうか目を覆う涙をぬぐったら明日を見てください。
過去のとらわれて相手を憎むのは、もうやめてください。
その悲しみを叫ぶ前に相手の言葉を聴いてください。
そうして私たちは、優しさと光にあふれる世界に帰ろうではありませんか?
それが私たちの真の願いのはずです」
 その瞬間地球上のメッセージを聞いていた人々がいっせいに拍手をした。

                                        ※

「なのにどうあってもそれを邪魔しようとするものがいるのです。それも古の昔から」
 その言葉にコロニー連邦共和国政府と軍上層部は、興味を示した。

                                        ※

「自分たちの利益のために戦えと。
戦えと。
戦わないものは、臆病だ。
従わないものは、裏切りだ。
そう叫んで常に彼らに武器を持たせ敵を作り上げ討てと指し示してきたものたち。
平和な世界にだけは、させまいとするものたち。
この戦争の惨劇も彼らの仕業であることは、明らかです」
 アークエンジェルの皆とミネルバの皆が驚いていた。

                                        ※

「何を言う気だ?」
 コロニー軍の幹部の一人がぼっそりといった。
「間違った存在であると。
宇宙に出た人々こそ自然に発生した純粋な新人類であるというニュータイプ論も彼らが作り出したただの空想話であることを皆さんは、ご存知でしょうか?
その背後にいる彼ら。
そうして常に敵を作り上げてきて常に世界に戦争をもたらそうとする軍需産業の一大企業。
死の商人ーロゴス。
彼らこそが平和を望む私たちの真の敵です」
 そうして画面に次々と映った映像には、アナハイム・エレクトロニクス社の出資者や優秀な技術者などがいた。
コロニー連邦共和国政府とコロニー軍上層部のショックは、計り知れなかった。

                                        ※

 それは、地球連合と地球国家の国民も見たが始めて聞く人々が多く人々はぽかんとしていた。

                                        ※

 シン中尉は、その話に聞き惚れていた。
そして再び映像は、デュランダル大統領を映した。
「私たちが心から願うのは、もう二度と戦争のない平和な世界です。
よってそれを阻害せんとするもの。
世界の真の敵ーロゴスこそ滅ぼさんと戦うことを私は、ここに宣言します」