二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

逆行物語 第六部~奇跡の軌跡~

INDEX|1ページ/6ページ|

次のページ
 

ハイスヒッツェ~フェルディナンド様の幸福~



 領地対抗戦。今年もこの日がやって来た。フェルディナンド様にディッターを挑める日が。フェルディナンド様が領主会議に出る様になった時、アウブの護衛として参加している私は歓喜に打ち震えた。
 我らがダンケルフェルガーにフェルディナンド様を迎えいれようと、ルーフェン先生まで巻き込んで、奮起した訳だが…。結局、此方の落ち度で上手くは行かなかった。
 貴族院を卒業後、フェルディナンド様が神殿に入ったと知り、どれ程口惜しく思った事か。
 しかし、フェルディナンド様は帰って来られた。誇らしげにエーレンフェストのマントをした姿で。
 いきなり現れたお姿に驚き、次いで歓喜した。アウブも同様で、我等ダンケルフェルガーは一同、エーレンフェストのブースに押し掛けた。…後で女性陣から各々絞られる事になったが。
 フェルディナンド様はマントに刺繍を施してくれる人がいるらしい。…な、なんとアウブ・エーレンフェストの娘がご婚約者!? まだ幼子ではないのかっ!? 
 王の承認!? 邪魔をされたくないと!? フ、フェルディナンド様、それはノロケ、ノロケではございませんかっ!!
 と、様々に驚かされたものの、我等ダンケルフェルガー、こうなっては行動が決まると言うもの。
「フェルディナンド様、ディッターを!! 再会のディッターをぉぉぉっ!!!!!!」
 しかしフェルディナンド様はあの魔王と言われた頃と全くお変わりない、あの輝かんばかりの笑顔で言った。
「申し訳無いが、神殿に身を納める身故、神に恥じない理由でなければ、争いは出来ぬ。」
 そうして私はフェルディナンド様にマントを返された。
「我が婚約者が心を籠めて刺繍を施したマントを蔑ろにはさせまい?」
 拒否する事等出来なかった。
 しかしディッターをどうしても諦める事が出来なかった私は、私が持つ最高の素材を賭けると宣言し、……奪われてしまったのだ。
 しかし、やはりあの方とのディッターは心踊る。実質1対1のディッターであったが、そんな事は関係無い。私は次のディッターの為、貴族院から戻ると、皆に協力して貰い、素材集めに奔走した。
 
 そして今回の領地対抗戦。フェルディナンド様のご婚約者が入学された。名をローゼマイン様。
 彼女は流石フェルディナンド様がお選びになった女性だ。
 何と練度の低いエーレンフェストの騎士見習いを率いて、奇策を用いてダンケルフェルガーの騎士見習いをディッターで打ち破ったのだ。
 それを聞いた時から、私はローゼマイン様に会ってみたくて堪らなかったのだ。
 そして願いが叶うと我等一同、フェルディナンド様とローゼマイン様に激突する様に会いに行った。
 …ん? ヴィルフリート様? いや、あの方はディッター勝利者と言うより、策士と言うより、…何と言うか力業過ぎて…。うん、どう反応して良いのか分からぬのだ。
 因みにフェルディナンド様は婚約者との逢瀬の邪魔するな、と輝く笑顔で言い切られた。アウブ・エーレンフェストとローゼマイン様が普通の親子の距離感では考えられぬくらいに仲良くしているのは良いらしい。
 フェルディナンド様、アウブとの会話も邪魔するな、との副声も聞こえたのは気のせいですか?