逆行物語 第六部~奇跡の軌跡~
ハンネローレ~エーレンフェストとの交流~
本日、私は皆の一心に受けています。理由は1つしかございませんが、まさか私とローゼマイン様のお話が皆に見詰められる中で行われている時だなんて…、間が悪いにも程がございます! ドレッファングーアよ、私がお嫌いなのですかっ!?
…私が貴族院に入学して間も無く、図書館のシュミルの魔術具が動いたと言うお話を聞きました。
私はシュミルが大好きなのです。動いて、お話しするシュミル…。ああ、何と可愛らしい…。
感激した私はシュミルの主になってみたい、と側近の1人に何気無く話していたら、それをお兄様の側近に聞かれてしまいました。
そしてお兄様はエーレンフェストにディッターを…。それだけでも申し訳ありませんでしたのに、2度目のディッターまで。しかもかなり長時間に渡った様です。
長時間に渡ったのはエーレンフェストの回復作戦の為、とか仰ってましたが、ダンケルフェルガーがご迷惑をお掛けした事には変わりありません。
おまけにお詫びの為、お招きしたお茶会ではよりによって、殿方であるヴィルフリート様しか参加できず、居心地が悪かったでしょうに、却ってお気を使わせてしまいました…。
更に1度参加した事で、ヴィルフリート様が他の女性のお茶会にも招かれる事になってしまい…。私の間が悪過ぎる事が原因なのです。
そのお詫びが漸く出来たのが、エーレンフェスト主催のお茶会でした。ですが、ローゼマイン様は私が本好きだと思われていて…、違うと言いにくかったので、お話を合わせるとローゼマイン様から祝福の光が突然、湧き出したのです。
そしてそれは私の上に…。
丁度、私が最後のお話相手でしたので、視線がそれとなく集まっていたのです。そこにこの祝福…。私が注目を浴びたのは言う間でもありません。
領地対抗戦。エーレンフェストではローゼマイン様がお父君であるアウブと仲睦まじく、会話されている様です。離れていてもその様子が伺え、微笑ましく思います。
と、そこへお父様の護衛のハイスヒッツェが…、え?
お、お父様!? 何時の間にエーレンフェストのブースへ!? 私達挨拶を待つ側ですよねっ!!? お母様が席を外した隙に何をしておられるのですかっ!?
…ハイスヒッツェはエーレンフェストのフェルディナンド様にディッターを申し込んですげなく断られております。ああ…、こうしてエーレンフェストに迷惑を掛けていたのですね…。
遠い目をしたくなる私は、ふとフェルディナンド様がアウブ・エーレンフェストとローゼマイン様に近付いていることに気付きました。
…あの3人の距離感、可笑しくありませんか?
その後、アウブ・エーレンフェストと異母弟フェルディナンド様の間にはブルーアンファとエフロレルーメに代わり、ローゼマイン様が祝福を与え、フォルスエルンテが来ない代わり、ラッフェルをローゼマイン様がもぎ取ったと真しやかに噂される事になるのです。
作品名:逆行物語 第六部~奇跡の軌跡~ 作家名:rakq72747