機動戦士ガンダムRSD 第31話 悪夢
しかしラミアス艦長は、冷静だった。
「非常隔壁閉鎖。
潜航用意」
ラミアス艦長は、潜航すれば逃げ切れると考えていたからである。
「キラは?」
ラミアス艦長の言葉にミリアリア少尉が思わず反論した。
「キラ君なら大丈夫よ」
ラミアス艦長は、ミリアリア少尉に言ったが本当は自分自身に言い聞かせていた。
アークエンジェルは、潜航準備に入った。
※
サオトメは、操縦桿を操作したが反応しなかった。
「何?」
ディスプレイを見るとError文字が出ていた。
バイオセンサーのオーバーロードにバイオコンピュータのエラー修正が追いつかずそれに追い討ちをかけるようにサオトメの無茶な操縦がこの結果を招いた。
モニターには、巨大な実剣で貫こうとしている水色の新型機が映っていた。
「もうだめだ」
サオトメは、そこで意識が途切れた。
※
アイリスは、不意に全身から血の気が引く感覚に襲われた。
そして直後に部屋に飾ってあった旧ι艦隊の皆の集合写真が床に落ちた。
写真を保護していたガラスが割れた。
「サオトメ大佐」
アイリス曹長は、いてもたってもいられなくなった。
しかしここは、宇宙でサオトメがいるのは地球だった。
※
マユ少尉は、爆発が治まってから渓谷から出てきてテンペストビームソード改をもってガンダムサイガーMk-2に止めをさそうとしたがガンダムサイガー改の援護で妨げられた。
さらにグフイグナイテッドカスタムのパワー残量も残り少なくなってきたのでマユ少尉は、ミネルバに戻っていった。
※
アスラン准将は、サオトメがやられそうになったことよりもシン中尉とキラ准将がやられたことのショックが大きかった。
「シン。
キラ」
アスラン准将は、ミネルバのブリーフィングルームで部下と戦友の名前を叫んだ。
※
サイジョウ元帥は、何とか羽付きガンダムを撃墜してサオトメの援護に向かった。
見るとガンダムサイガーMk-2は、まったく動かずに止めを刺されるのを待っているようだった。
サイジョウ元帥は、水色の新型機に大型V.M.B.Rを撃って援護射撃をした。
すると水色の新型機は、撤退していった。
「サオトメ。
無事なんだろ?
返事をしろ」
ガンダムサイガー改をガンダムサイガーMk-2に接触させて接触回線を開いたがまったく応答がない。
「サオトメ。
サオトメ」
サイジョウ元帥は、サオトメの名を何度も叫んだ。
作品名:機動戦士ガンダムRSD 第31話 悪夢 作家名:久世秀一