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りむすれいあ
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novelistID. 4902
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ツナヒバ+獄

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「オレが雲雀さんのモノだって言ったことですよ」
「いけなかった?」
 首を傾げて綱吉を見上げる雲雀には、何度言い聞かせても通じないことにため息をつく。
「オレは静かに目立たずで過ごしたいっていっつも言ってるじゃないですか」
 綱吉が何に怒っているのかを言葉にして伝えれば、困ったように見上げてくる雲雀に声を荒げないように気をつける。
「でも…でも沢田が僕のものだって言わないとまた誰かが沢田に近づいてくるじゃない」
「またって何ですか?」
「昨日言われてたじゃない。ちゃんと聞いたんだから」
「昨日…?ああ、あれ聞いていたんですか」
「何があったんです?」
高校に入って素を隠すことをしなくなり、以前とは逆の意味で目立つようになった綱吉に言い寄ってくる女子が出始めたが、それくらいでこんなことをしたのかと綱吉は呆れる。それまで大人しく会話を聞いた獄寺まで不安を覚えたのか口を挟む。
「獄寺君には関係ないからちょっと静かに待ってて」
「関係なくないじゃないっ!沢田のこと好きだって言っていいの僕たちだけだって言ったじゃない」
「なっ、本当ですか、10代目!」
「ああ、もう、うるさいなあ。いい加減にしないと本気で怒りますよ」
「だって…」
「だってじゃありません」
「10代目ぇ…」
 綱吉が強く怒って見せると2人揃ってビクリと体を震わせ、不安そうに上目遣いで1人立ったままの綱吉を見上げる。
「ははは、ツナも大変なのな」
「もぉー、山本は人事だと思って」
「雲雀も獄寺もツナが大好きすぎるよな」
「まったくだよ」
 いつの間にか守護者の中に綱吉に依存するほどに想いを寄せてくる相手に絆された自分に思わずため息が出るが、まずは雲雀にと目を覗き込むようにしてゆっくり話し出す。
「いいですか、雲雀さん。獄寺君もちゃんと聞いて。オレは静かに目立たず暮らしたいんです。…せめて学生の間は」
「でも、僕の沢田なのに…」
「他の人に興味はないって言いましたよね。それともオレが信用できないんあなですか?」
「そんなことはありえませんっ」
「僕だって信じてる。でも他人が君に近づくのが嫌だ」
「あなたの意見なんて聞いていません。オレが嫌だって言ってるのに聞けないなら別れたって良いんですよ」
「やっ、やだ。それだけは嫌」
「嫌ならもう二度としないでくださいね」
「……うん」
 獄寺には言葉で伝えるより行為で伝えたほうが早いと、大切にしているのだとわかるように優しい手つきで頭を撫でながら、雲雀に辛くあたると傷ついた表情で綱吉を見上げて渋々と言ったように頷く。
「その代わり休み時間なら会いに来ていいですよ。それを見たらオレに近づく人もいなくなるでしょう」
  他の人には決して見せることのない嬉しそうな笑みと子供っぽい仕草で繰り返し頷く雲雀の頭を、獄寺にするように撫でると猫のように目を細めて綱吉へと擦り寄る姿を愛しく感じ思わず笑みが浮かぶ。


作品名:ツナヒバ+獄 作家名:りむすれいあ