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最期まで解けることのなかった、ひとつの誤解について。

ユリアが全ての事情を話すことなく裏切りに走ったのは、自分がKGBだったからだ、と、サーシャは最期まで思っていたけれど、本当の理由は違っていた、というお話。ユリア側に視点をとった、いわば「マトリョーシカ」のB面です。読者はすでにA面をご存じという前提で書いておりますので、ご存知ない方には、先に拙作「マトリョーシカ」をご一読いただけますよう、お願いいたします。

誤解と言っても、もしそれがなければ別の展開になっていたとか、死ぬ前に解けていれば救われたとかいう性質のものではありません。その意味では、あえて書く必要もなかったのですが、ユリアの「本当の理由」というのが少々切ないので、やっぱり書いておくことにしました。
視点が違うだけでストーリー展開は同じですから、重複する部分は大幅にカット。代わりに、A面では書かなかった隙間エピソードをちょっと丁寧に書いてみたら、真ん中あたりだけヤケに記述が緻密になって、押すと餡出るって感じになっちゃいました。すみません。。。

バランスの悪さには目をつぶっていただき、甘さ増量ヴァージョンとしてお楽しみいただければ幸いです。