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仮面ライダー555・パラレルドリーム 一話(修正)

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オルフェノク。それは死者が怪物へと変身する能力を得て蘇る者の総称。この世界は、オルフェノクが人々を襲いながら生きている闇の世界だった。

「・・・まただ」
「え?」
 夕日が住宅路を照らす短き帰り道。スマートフォンを見ていた友人、明弘が苦い顔をしながら言った。隣で歩いていた正人は、きょとんとした顔で明弘の顔を見る。
「オルフェノク被害情報、また一件増えた。今度はうちの中学の近くだってよ・・・全く、勘弁してくれよ」
 溜め息を吐きながら明弘はスマートフォンを正人に見せた。
 人々が怪物に襲われて灰になって消える事件。このような事件が最近多発しているため、警察は怪物をオルフェノクと名付け『オルフェノク事件』と呼び捜査を続けていた。これに対して国も総揚げで対策を練り、スマートフォンなどでの通報を呼びかけている。その一環で配信されたのがオルフェノク事件被害情報アプリだった。
「別に・・・オルフェノクだって分かり合えると思うんだけど」
「・・・やっぱ、お前お人好しだな」
 正人の言葉に明弘はやれやれと右手を額に当てる。
「正人、お前そんなこと言っていると、命いくつあっても足りないぞ」
「俺達はオルフェノクを見てもないじゃないか。噂だけで人を判断するなと教わったろ?」
 それは人の場合だろ、と明弘はスマートフォンをしまいながら言った。そんなことを話していると、別れる交差点に着き、明弘は青になっている右の信号を渡った。
「じゃあな、オルフェノクに気をつけろよ」
「明弘もな」
正人は明弘に別れを告げると、前の信号の前に立ち、青になるの待った。
「オルフェノクとは分かり合えるかもしれない、か・・・」
 自分で言った言葉に、今更正人は疑問を持った。怪物と分かり合える、そんな世界が本当に出来るかと問われると言い返せないのが今だ
「結局、会ってみないとな」
会いたくないのも真実だが。正人は心の中で舌打ちすると信号が青になり、歩き始めた。

 夕日が沈みかけてるのを歩きながら正人は人通りのないだだっ広い住宅街の歩道を見ていると、反対側の歩道にいた男の子を見つけた。その子供は一人でボールを蹴って遊んでおり、今にもボールが車道に出てしまいそうだった
「危なっかしいな・・・」
 その姿を見て心配して正人は子供に声をかけようとした時、子供が蹴ったボールがガードレールを飛び越え車道に出て2、3回バウンドした。いわんこっちゃない。正人は内心溜め息を吐きボールを取ろうとガードレールを乗り越えようとすると、子供がガードレールの下をくぐって正人より先に車道を出てしまった
「おい、危ないぞ」
 正人は子供に声をかけると、横からクラクションが聞こえた。
「なっ!?」
 右に振り向くと、そこには猛スピードで走ってくる大型トラックがいた。こんな距離に近づくまで何で気づかなかった!?
 トラックが進む先には、ボールを掴んで取ろうとした子供がいる。子供の走りじゃトラックとの距離とあのスピードは避けられない。ぶつかってしまう!
「チッ!」
 正人は舌打ちするとガードレールを急いで乗り越え猛ダッシュすると、両手を突き出して子供を突き飛ばした
「・・・ッ!」
 体中が悪寒に走るのを感じて、正人はトラックが来る右へと振り向く。目の前には、トラックがあった
 瞬間、正人の意識は途絶えた

 次に正人が意識を取り戻した時に最初に感じたのは、痛みが感じないことだった
「ん・・・」
 朦朧とした意識で、正人はうつ伏せの体を起き上がらせるとまず辺りを見回した。暗い、夜ということはわかったが疑問はすぐに沸いてきた
「俺・・・」
 正人は立ち上がると体中を見回した。制服に黒い跡がある。トラックとぶつかった時の跡なのか?では、トラックとぶつかって何故生きている?正人には理解しがたかった
「・・・やべっ!?」
 正人は何気なく腕時計を見ると、時計が指していた時刻は8時を過ぎていた。母親は心配しているに違いない。トラックとの衝突の謎は後にし、とりあえず家に帰るのが得策だ。
 正人はそう思って手元にバックが無いことに気づき、草村の方に向くと学生バックが投げ捨てられたかのように落ちているのを見つけた。
「あった」
 正人は歩いてそれを取りに行くと、その先の河川敷で誰かの怒声が聞こえたのに気付いた
「ん?」
 すると、河川敷にある橋の下で爆発が起こった。爆破は空高く柱のように舞い上がり、まるで竜のようだった
 爆破から数秒後、今度は正人の目の前で奇妙な事が起こった。少し先にあった川の方から水柱が立ち、その中から人影が現れ正人の前に落下した
「だ、大丈夫ですか?」
 正人はその人影に声をかけるがすぐに目を見開いた。その人影は、人間ではなかったので
 灰色の肉体。人間とは明らかに違う体の模様と形。この特徴はまさに・・・
「オルフェノク!?」
 そう。あのオルフェノクだった。オルフェノクは何かアタッシュケースを抱えており、すぐ立ち上がると正人を確認して身を引いた。そしてその場から走り去ろうと呆然としている正人の横を通ろうとした時、また川から水柱が立った。
 オルフェノクはその水柱が起こるのを恐怖していたように、びくっと震えて後ろを振り向いた。
「グラァァァ!!」
 その水柱から飛び出した同じく人影は、猛スピードで目の前にいたオルフェノクに突進してきた。オルフェノクは吹っ飛び、抱えていたアタッシュケースが正人の真後ろに落ちる。
「なっ・・・」
 人影を見て、正人はもう一度目を見開くことになった。その人影は、オルフェノクだったので
 サメの様な白目を持つオルフェノクは、アタッシュケースを持ってきた所々に白い点、ヒレを持ったオルフェノクを確認するとアタッシュケースを持ってないことに気付いたのか、辺りを見回すと今度は正人を確認した
「やめろ!彼は無関係な人間だ!」
ヒレを持ったオルフェノクは叫ぶと、白目のオルフェノクは「フン」と鼻で笑うと正人へ歩き出した
「わりぃな、目撃者の人間は殺害しろと言われてるもんでな」
 オルフェノクは右手を胸に持って行こうとした時、背中から火花が飛び散った。そこには剣を持ったヒレのオルフェノクがいた。よろめいた白目のオルフェノクは「てめぇ・・・」と怒りを持った声で三つ叉の槍を生成すると槍を振り回しながら突進した
「・・・っ」
 オルフェノク同士の戦い。正人は目の前で起きていることが上手く飲み込めなかったがただ一つ、この場から離れなければということは理解出来た。正人は気付かれないようゆっくり後ずさりしながら離れようとすると、それに気付いた白目のオルフェノクが格闘していたヒレのオルフェノクを槍で吹き飛ばし正人へ近づいた。
そして正人を蹴りで突き上げた。
「ガハッ!?」
 信じられない痛み。そう正人は思うと、視界がぐるぐると回るのを感じながら地面に落下した。思ったより痛くはなかった。もしかしたら体がおかしくなって神経がやられてしまったのかもしれない
「お前、丈夫だな」
 白目のオルフェノクがそう言うのを聞くと、正人は逃げようと立ち上がった。すると、白目のオルフェノクの横から剣を捨てたヒレのオルフェノクがタックルしてきて、言った。