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仮面ライダー555・パラレルドリーム 一話(修正)

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「そのケースを開いてベルトとケータイを取れ!」
 そのオルフェノクか言うアタッシュケースを、正人は何故か言うことを聞いて開けてしまった。中には、オルフェノクが言ったとおりベルトとケータイ、それにいくつかの奇妙な物が納められていた
「これは・・・」
 正人はそれを取り出すと、後ろで殴られているヒレのオルフェノクが叫んだ
「ベルトを巻いて、ケータイを開いて『555』を押してエンターを押せ!」
 正人はとりあえず、オルフェノクの言うことにした。ベルトを腰に巻きつけると、ケータイを開けて555と押す。それからエンターを押すと『Standing by』と言ってアラーム音らしき音を発した
「閉じてベルトにはめろ!」
 オルフェノクの声が聞こえ、正人はベルトを見る。そして直感でベルトの正面の何かはめる部分を見つけるとはめ、横に倒す。
『コンプリート』
 瞬間、辺りが閃光に包まれた
「なっ!?」
 驚愕の声を混じらせた、白目のオルフェノクがヒレのオルフェノクを退ける。そして後ろへ振り向くと、光り輝く者が立っていた。首もとから、肩、両腕足まで一筋の紅いラインが駆け巡って、光っている。そして、ライトのように顔が黄色に輝き、真夜中にそびえ立つそれは正に、戦士の姿だった。
「変身出来たのか・・・!」
 ヒレのオルフェノクが言った。
 何か明るい。自分に何が起こっているのかわからない正人は、正人を見ている2体に疑問を持って手を見ると、自分の手がスーツに包まれていた
「な、なにこれ!?」
 正人は全身を見回して動揺する。
 「こいつ、あのベルトが何かわかってないのか?なら・・・!」
 白目のオルフェノクは、これを好機と言わんばかりに槍を突き出して突進してきた。正人はそれを見て驚き、避けもせず槍に当たってしまった
「いたっ!・・・くない?」
 吹っ飛び、3メートルほど飛んでから地面に落下した正人は、ベルトをつける前に喰らった蹴りよりあまり痛くない違和感に疑問を持った。そして自分の体を見て、思った。もしかしたら、この変化した体が影響しているのか?
「そいつはパワードスーツだ!それであのオルフェノクを倒せる!」
 ヒレのオルフェノクが正人に向かって叫ぶ。正人は恐る恐る立ち上がり、言う
「俺が、オルフェノクを倒せる力を持っている・・・?」
 正人は言葉の意味を上手く理解出来なかった。そのうちに白目のオルフェノクがもう一度襲いかかる。正人は悲鳴を上げながらも上手く避け、白目のオルフェノクを苛つかせる
「ちっ!」
 槍を思い切り突きだそうと白目のオルフェノクは一歩引くのを見て、正人の本能が反応した。白目のオルフェノクの腹に走りながら右足で蹴りを入れたのだ。
「コイツっ!?」
 反撃されるとは思いも寄らなかったのか、白目のオルフェノクは大きく後退する。正人はそれをみて自分の手を見た。
「お、俺・・・」
 正人は、自身が戦っていると確信した。自分は今、オルフェノクと戦っている。そしてあのオルフェノクを倒せる力を持っているのは、自分だけ。
 状況を飲み込めた正人の行動は、意外にも速かった。叫びながら白目のオルフェノクに向かって殴りかかる。
「くそっ」
 まるで駄々っ子の様な、めちゃくちゃな動き方だったが白目のオルフェノクを動揺するには、十分だった。そしてヒレのオルフェノクにとっても、白目のオルフェノクの注意を逸らしてくれたのは絶好の機会だった。ヒレのオルフェノクは正人が開けたアタッシュケースの中を漁り、一つのデジタルカメラを取り出す。
「これを使え!!」
 ヒレのオルフェノクが正人に向かってそれを投げた。正人は飛んできた物を白目のオルフェノクの攻撃を避けてから右手で取ると困惑した。
「で、デジカメ?」
 それに気を取られていると、白目のオルフェノクが槍を突き出してきて当たり、正人は手に持っていながら反撃をする。
「それのレバーに手をかけてケータイのメモリーを外してデジカメにはめろ!!」
 ヒレのオルフェノクの言うことに正人は反応し、デジカメの出っ張りを引くと手に掛け、鉄甲鉤のように持った。その時襲いかかった白目のオルフェノクに蹴りを繰り出し、距離を離すと直感でケータイの上の方の裏側に付けられているマークをスライドして外し、デジカメの何かしらはめる部分に装着する。
『ready』
「エンターを押せ!」
 デジカメから機械音が鳴りヒレのオルフェノクは指示を出す。正人はケータイを開けてエンターボタンを押してから閉めた。
『EXCEED CHARGE』
 すると、ベルトから紅い光が正人の体を駆け巡る紅い線を辿り、それが右手にまで伝わってデジカメに届くと、デジカメが光った。同時に白目のオルフェノクは走り出し、槍を突き出す。正人は咄嗟にしゃがんで避けデジカメを装備している右手を白目のオルフェノクの腹にぶつける
「がっ・・・」
 瞬間、トライアングルの音に似てなくもない爆発音が正人の耳元でした。同時にものすごい衝撃が身体中に伝わり、白目のオルフェノクは一瞬うめき声を上げると、動かなくなった。
「・・・?」
 正人はなにも起こらないことに疑問を持ち、白目のオルフェノクから離れ立ち上がった。その時白目のオルフェノクの背中からΦの文字が浮き出て、灰となって崩壊した。
 正人はそれを見届けると、ヒレのオルフェノクが近づいてきてベルトにはめてあるケータイを外すと、開いてエンターボタンを押した。するとスーツを纏った正人の体が光って元の姿に戻った。
「ありがとう、助かった」
それだけヒレのオルフェノクは言うとベルトも外しアタッシュケースに閉まった。
「あ、あの・・・」
 ヒレのオルフェノクの沈黙に、正人は耐えきれなくついに話しかけた。ヒレのオルフェノクは反応し、「なに?」と好青年のような優しい声が出て来た。それで正人は少し安心し、次の言葉も出やすくなった。
「あなた、何者なんですか?」
 オルフェノク同士が争っていた。そこに自分が加入していたのも奇妙な経験だったが、そんなことより自分のオルフェノクに対してのイメージと今起こっていたオルフェノクのイメージが違っていた。どうしても、正人はその理由を聞きたかった。
「・・・ちょっとつきあってもらうよ」
 それだけ言うと、ヒレのオルフェノクはアタッシュケースを持ちながら正人を抱え大きくジャンプした。
「ちょ!?待って・・・」
 それに正人は不意を突かれ、困惑する。

「社長」
「どうした」
 とある会社の社長室。一通りの仕事を終え帰宅しようとした比較的若い青年の社長に、中に入ってきた黒服の中年男が話しかける。
「例のライダーシステムが起動し、追跡していた一名の社員との連絡がつかなくなりました」
黒服の言葉に、社長の青年は「そうか」とだけ言い返事を聞いた黒服は一礼して社長室を後にした
「・・・始まったか。」
青年は電気が消えた薄暗い部屋で、ニヤリと笑った
「我々オルフェノクの大群に、貴方ははどう立ち向かうのか・・・見せてもらいましょうか。ファイズ・・・」

続く