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仮面ライダー555・パラレルドリーム 二話

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ヒレのオルフェノクが連れてきた場所は、河川敷からそう遠くないカフェだった。ヒレのオルフェノクは着地して正人を降ろすと、体を変化させ人間の姿になった。その姿に、何か気弱そうな若い青年と、正人は印象を持つ。
「ついてきて」
 青年はそれだけ言うとバーの入り口のドアを開け、中に入っていく。正人も後に続くと月の光だけで照らされた薄暗い、閉めているとわかる店内に入った
「菫(かおる)、俺だ」
 青年は名前らしき単語を無人の店内で言うと、カウンターの端にある厨房らしき所から人影が現れた
「優(まさる)か・・・。その少年はどうした?」
 薫と呼ばれた、女性らしき人影が言ったのは、自分だと言うことに気づいた正人はどうしようかと緊張が走るが、優と呼ばれた青年が目を正人に向けながら言う。
「彼はファイズに変身して戦ってくれたんだ。一応連れてきたんだけど」
「ファイズに?」
 薫はそれだけ言うとカウンターから出てきて、月の光にその姿を晒す。黒髪で、ショートカットの髪型をした顔が整った人だった。美人だな、と正人は心の中で思った。
「お前、どういうことだ」
 薫の刺さるような睨みに、正人は冷や汗をかく。それを見て優は薫を見て言った。
「薫、駄目だよそんな顔しちゃ。俺が事情を説明するからさ。・・・君は座って待っててくれ」
 そう言って優は、薫を先ほど出てきた厨房の中へと連れていった。取り残された正人は言われたとおり近くにあったテーブルとイスの一つに座って待ち、考えた。
明らかにまずい方に進んでいる。ならこのままこっそり帰ってしまおうか?オルフェノクとは分かり合えると言ったが、やはりその場とでは違う。得体の知れない、奇妙な感覚だった。
 正人はそんな思考をした自分が嫌になって、思考を断ち切った。ならば、ここで確かめよう。オルフェノクと話し合える、貴重な機会だ。

10分程待ったか、話す声が止んですぐにあの2人が戻ってきた
「話は聞いた。大変だったようだね」
 薫の方は先ほどよりも落ち着いていて、正人は何だかほっとした。口調が変わった薫は優と共に正人が座っている席のテーブルに座る。すると優が言い出した
「まず、君の質問から答えようか」
 そう、それからだった。正人は自分の頭の中で考えていた疑問を何から言おうか考えた。聞くことなんてたくさんある。2人は何なのか、何故オルフェノク同士の戦いが起きているのか、そして・・・
 正人は自分が戦ったことをふっと思い出して少し体が震えたが、気を取り直し2人を見ながら言った
「貴方達は何者なんですか?」
 やはりそう来るかと、2人は考える仕草もなく答えた。薫が言った。
「私たちはオルフェノク。そしてそのオルフェノクを統制するものから逃げ出した裏切り者よ」
「裏切り者・・・?」
 正人は首を傾げると優が言った
「要するに、人間に味方するオルフェノクってことかな。僕達オルフェノクを統制している組織は、人間を襲う事を強制しているからね。怪しむのも無理はない」
 優の言葉に、正人は心の中で頭を抱えた。情報が一気に入りすぎだ。オルフェノクを統制する組織?人間に味方するオルフェノク?どれもわからないことでたくさんだ。
「・・・あー」
正人の心の中を察したのか、優は少し考えるような仕草をしながら言うと薫が言い出した
「私達オルフェノクは、死んだ者が生き返った存在。それはわかるよね?」
正人は頷いた。それを見てから薫は続ける
「実は最初のオルフェノク事件より前から、オルフェノクはいたんだ」
 今度は優が言う
「オルフェノクを統制する組織・・・『スマートブレイン』っていうんだけど、約60年前に結成され、人間を襲わないように当時の社長が指示していたたんだけど・・・」
 そこから、優の顔が暗くなった。薫が代わったかのように言う
「それを不服に思っていた過激派のオルフェノクが、その社長が死んでしまったと同時にスマートブレインを乗っ取ったんだ。今は人間を襲うように指示している」
 正人は、本当にそうなのかと思い、眉を縮める。それを見た薫は椅子の下に置いておいたあのアタッシュケースを取り出して机に置いた
「これはスマートブレインが開発した最新鋭の兵器。私達はこれを強奪して逃走した。君が優に遭遇した時はその逃走中だった。」
「・・・まぁ、そう言っても信用出来ないと思うけどね。けど」
 優はアタッシュケースを開けながら言うと正人にアタッシュケースを前に出して再び言った。
「君はこのベルトを着けて戦い、スマートブレインの社員を倒した。恐らく君も狙われてもおかしくな・・・」
その時、建物が轟音と同時に揺れた。
「っ!?」「・・・ほらね」
薫は涼しい顔で言い、アタッシュケースを持って立ち上がり、店の出入り口であるドアを開けた。その後に優が続き、正人もゆっくりと立ち上がって閉めかけたドアを手で止めて押し開け、外を見た
「グァァ・・・」
そこには真っ二つに割れ炎上した車があり、隣には、人型ながらもアルマジロを思い出させるような姿をした灰色の体に剣と盾を持った者ががいた。もちろん、その人型の正体は
「オルフェノクか・・・もう特定したのか」
 薫が苦い顔をしながら言う。しかしすぐにきりっとした表情に戻り、アタッシュケースを開けた。ベルトとなんだか望遠鏡のような機械を取り出し、ベルトを装着する。望遠鏡のようなものをベルトの右側にある何かを取り付けるような穴にはめながらケータイを開き、コードを入力する
「変身!」
 コードを入力し終え、ケータイが変身待機状態になり薫は高らかに声を上げ、ベルトに差し込んだ。
『コンプリート』
 ベルトから紅い線がまるで骨格を作るように薫を纏いながら出てくる。それが全身まで行き渡ると線が光り出し、薫の姿は紅い光に飲まれて見えなくなった。
「あ・・・」
 次に正人が薫の姿を見たときには、薫はあの姿に変身していた
「ファイズに変身出来たか・・・!」
 優が正人の前でボソッと言う。正人はそれを見てカフェでもちらっと聞いたファイズというキーワードを思い出した。もしかしたら、あの姿をした者はファイズと呼ばれているのかと。
 ファイズに変身した薫は走り出し、アルマジロのオルフェノクに突進する。オルフェノクの方は盾を前に出し攻撃を防ぐ体勢に入り、薫を待ち受ける。薫がオルフェノクの目の前へと迫り盾ごと壊そうと言わんばかりの大振りのパンチを繰り出した。しかし盾はそのパンチを受け止め、オルフェノクに反撃のチャンスを与える。
「うわっ!?」
 オルフェノクは剣を薫に向け上から振り、薫の胸の装甲に当てる。薫は胸から火花を上げ後退した。それを見たオルフェノクは勢いに乗り、薫に斬撃の嵐を繰り出す。薫は何回か斬撃を喰らい優の足下に吹っ飛んで転がってきた。すぐに薫は立ち上がるが、オルフェノクの進行は止まらない。その時だった
「っ!」