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仮面ライダー555・パラレルドリーム 二話

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 空から発砲音のような音が連続して聞こえ、何かがオルフェノクに降り注いだ。オルフェノクは混乱に陥るも、すぐに建て直し降り注いだ方向、薫の頭上へ盾を向ける。正人はその盾の方向を追い、空を見上げるとそこには、盾を持った、空を飛ぶ巨大な人がいた。その人は空を飛ぶのをやめ、薫の目の前へと着地する。正人はそれをみた瞬間につい思った言葉が漏れた
「ロボット・・・?」
「オートバジン!来てくれたか」
 装甲を纏い、機械のような身体をしたオートバジンと呼ばれた者は振り向いて薫を見てからオルフェノクに向き直し、ボクシング選手がするようなファイティングポーズを構える。オルフェノクはそれを見て敵と認識したのか、剣を振り上げながら突進してきた。オートバジンも走り出し、パンチを突き出す。そのパンチがオルフェノの頭を捉え、オルフェノクは真後ろへと吹っ飛んだ。次に左腕に着けている円形の平たい盾のようなものをオルフェノクに向け構えると、その盾は回転し火花か吹き出た。その瞬間、立ち上がろうとしたオルフェノクにたくさんの小さい火花が吹き出し再び倒れた。
 正人はそれを見て、盾から何かが発射されているのだと気がついた。オートバジンは発射しながら薫の前まで後退すると動きを止めると、そこから何か軽快な機械音が鳴った。
「・・・は?」
 オートバジンが取った次の行動に、正人は目を疑った。オートバジンは体を回転させ、バイクへと変形したのだ。しかし薫と優は正人ほどの驚きではなく、知ってはいたが初めて見たという感じだった。
「優!確かこのハンドルがそうだったのな?」
 バイクに変形したオートバジンを見た薫が優に問う。優は「あぁ、そうだ」と頷きそれを見た薫はあの時の正人と同じようにケータイのメモリーを抜きバイクの左ハンドルに差し込んだ。直後そのハンドルからロックが解除されるような音が鳴り、それを聞いた薫はハンドルを右手で引き抜こうと引っ張る。
 引き抜かれたのは、ハンドルから60センチほど伸びた紅い棒だった。しかしその棒からは熱が出ているのか、微かに陽炎が見える。刀身の先端は丸みに帯びてて、剣にも見えなくはなかった。
「グオオオオ!」
 引き抜かれたと同時に走り出していたオルフェノクが敵の頭部をかち割らんと薫の前で剣を振り上げる。それに対し薫は右手の剣をオルフェノクの腹部に振り、切り裂いた。切られた傷口からは熱い何かに溶かされたような真っ赤な液体が飛び散り、オルフェノクは叫び声をあげ大きく後退した。
「ハァ!」
 その後は、正に一転攻勢だった。薫はオルフェノクが振ってくる剣を縫うように避け右手の剣で反撃しオルフェノクはダメージを喰らう。その繰り返しがしばらく続いていた。
 しかし、そんな戦いも急に決着が着いた。腹部がズタズタに裂かれそこだけ灰がこぼれ落ちているオルフェノクはせめて一太刀と、今までにない雄叫びで剣を振り上げた。
「パターンが見え見えなんだよ!」
それを見た薫は叫びながら言い剣をオルフェノクの右腕へ切り上げた。熱の剣はその右腕をバッサリと切断、溶かし闇の空間に紅い軌跡を作る。
「アアアアアアアアアアア!?」
 オルフェノクは無くなった自分の右腕を見ながら左手に持っている盾をその場で落として膝を地面につけた。それを憐れむかのように見ていた薫は剣を再び切り上げ、今度はオルフェノクの首を切った。切りられた首は虚空を舞ってオルフェノクの後ろ、数メートル離れた所で着地し、灰となる。薫の前に残っていた体も力を失い灰になりながら倒れ、崩れ落ちた。
「・・・」
 戦いは終わった。戦ってもいないのに過度の緊張をしていた正人は緊張が解放され、先程のオルフェノクのように崩れ落ちた。それを見た優が「大丈夫?」と聞き正人は「は、はい」と言って正人の肩を借りて立ち上がった。
「」
薫が正人達の前に戻ってきて、ケータイを開きエンターキーを押して元の人の姿に戻った。そして薫は言った。
「スマートブレインはあのようなオルフェノクを何体も送ってくる。君が狙われてもおかしくはない」
 あんな凶暴なオルフェノクが何体も・・・?聞いた正人は、冗談じゃないと心の中で激怒した。自分はただ巻き込まれただけだ、あれは戦わなければ死ぬ状況だった。ただ巻き込まれただけなのに、何故怪物達に狙われなければいけない
「そんな・・・俺は巻き込まれただけ」
 もはや、オルフェノクは危険な集団としか考えられなかった。誰が信用出来か到底わからなかった。あと少しでその場で激怒を心の外へ放出しかけた時、よく聞くサイレン音が周りに響いた
「この音は・・・まさか」
 そう、警察のパトカーのサイレン音だった。正人は助かると安心したが薫達にはよろしくない状況らしく、正人を引っ張り逃げようとしたが、正人はそれを振り切りどこもかまわず走り出した。
「お、おいっ!」
 薫の怒鳴り声が後ろで聞こえる。しかし正人は足を止めなかった。もうこんな所はごめんだった。早く警察に保護されて、今夜のことは忘れたかった。
 パトカーは、偶然にも正人が向かっている方向から出てきた。車を止め、中から警察官と見られる2人の男が出て来た。そして正人を確認したのか、大声を上げ「どうかしたのか?」と聞いてきた。正人は、とりあえずは助かるのだと、心の底から安心した。

 警察は、母親が捜索願を出していたらしく正人を捜していたようだった。まず警察署で待っていた母親と会い、何とか今夜のことをごまかし警察の事情聴取に向かった。警察にはオルフェノクに襲われ逃げていたら誰かがオルフェノクをたおしてくれたと言ったが、現場にあのアルマジロのようなオルフェノクの残骸が残っていたのではその証言はすんなり通った。
 そして解放され、母親と共に自宅へ戻り、自室に入ると正人はベッドに倒れ込んだ。もう今夜のことは忘れたい。正人は再びそう思って深い眠りに着いた。

 早朝。スマートブレインの社長室。社長に呼ばれ社長室の前に来た拓也は持っていたタブレットを肩掛けバックの中にしまい、ドアを三回ノックしてから入った。
「お待ちしておりました、拓也さん。今回も依頼をこなしてもらいたいんですが・・・」
 中では社長が椅子に座って待っており、丁寧な言葉遣いで拓也に言う。それに対し拓也は手を前に出し社長の言葉を遮って、言った。
「わかっていますよ、社長さん。ファイズベルトを奪った裏切り者の始末。ですよね?」
 それを聞き、社長は苦笑いをする。言った。
「いやはや、流石のラッキークローバーとなると、情報の伝達は速いですね。」
 スマートブレインは社員の昇格制があり、形としてはそこらへんの大手会社のようなシステムで動いているが、それとは別に特別待遇を行っている役職があった。その役職を得ることが出来るのは、わずか4人。社長が命令ではなく依頼をし、初めて動く役職。戦闘のプロの集団。その名はラッキークローバー。
「それでは、今回は拓也さんともう一人、我が社の社員を派遣します」
その時、拓也の目が少し殺気を帯びた
「社長・・・もしかして私を信用してないのでは?」
社長は、その殺気に臆せず言う。