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Lovin’you afterCCA14

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Lovin’you afterCCA14


「しまったなぁ…」
手錠を掛けられた手を見つめ、アムロが溜め息を吐く。
高い位置にある、小さな窓から外の明かりが差し込み、狭い部屋の中を照らす。

近頃スウィート・ウォーター内で頻発しているテロ騒ぎに紛れて、子供を狙った誘拐事件が発生していた。
人身売買を目的としたそれは、裏で大きな組織が動いており、シャアもテロの捜査と併せて殲滅すべく組織を追っていた。

アムロは今日、妊婦健診で病院を受診後、ベビー用品を買おうとショッピングモールに来ていた。
双子を妊娠中のアムロは現在妊娠六ヶ月。
安定期に入り体調も良かった為、護衛のギュネイを伴い買い物に来ていたのだ。
そこで、モールから少し離れた場所で停車中のエレカが爆発するテロ事件が起こった。
人々が避難する中、親とはぐれた子供を攫おうとする男達に気付き、引き止めようとするギュネイを押し切って追ってしまった。
警備員達の到着を待っていたら間に合いそうもなかったからだ。
同じ子を持つ親として、子供を攫われるなんて耐えられなかった。
それに、自分ならば見失うことなく追えると思ったから。
車に子供を押し込めようとする男から子供を取り返し、なんとか子供を救出する事が出来た。
しかし、安堵した瞬間、隠れていた仲間に襲われ捕らえられてしまった。
ギュネイが庇ってくれたお陰で怪我は無かったが、頭を殴られて気絶したギュネイと共に男達に連れ去られてしまったのだ。
そして今、アムロは男達のアジトと思われる建物の一室にギュネイと共に囚われている。

「うっ…」
呻き声をあげながらギュネイがゆっくりと体を起こす。
「ギュネイ准尉、大丈夫か?」
アムロの声にハッと顔を上げ、その姿を探す様に辺りを見回す。
「ギュネイ准尉、ここだよ」
ギュネイは背後にいたアムロの姿を確認すると、直ぐ様近寄り身体の状態を確認する。
「大丈夫か?怪我は?子供は無事か!?」
アムロの少し膨らんだお腹を見て安堵する。
「大丈夫だよ。准尉が庇ってくれたお陰で怪我一つないよ」
そう言って微笑むアムロの、両手を繋ぐ手錠を見てギュネイが悲痛な表情を浮かべる。
「すまない!」
「何を謝るんだ?悪いのは私だよ。准尉の制止を振り切って無茶して、その挙句捕まって、准尉に怪我までさせてしまった。本当にすまない」
頭を下げるアムロに、ギュネイが慌てる。
「あんたの護衛は俺の仕事だ!それを全うできなかった俺に責任がある!」
「それは違う!ギュネイ准尉、悪いのは私だ」
「いや!俺がもっと上手く立ち回れば!」
言い合っているうちに互いに目が合い、笑いが込み上げる。
「お互い様だな」
「そうだね」
「とりあえず、ここからどうやって脱出するかだな」
ギュネイが部屋を見回す。
「窓は…無理だな」
そして入口のドアを見つめる。
鉄で出来た頑丈そうな扉、蹴破るのは無理だと判断し、外の気配を目を閉じて探る。
「見張りは…二人か…」
ふとアムロに視線を向ける。
身重のアムロにあまり無理はさせられない。どうしようかと思案していると、アムロがチラリと部屋の隅に視線だけを送る。
そこには隠されてはいるが監視カメラが設置されていた。
「音は拾われていない、画像だけだ」
「よくそんな事が分かるな」
「シャイアンに幽閉されている時にずっと監視されてたからね。監視カメラや盗聴器は気配で分かる」
さらりと、とんでもない事を言うアムロにギュネイ目を見開く。
「幽閉?」
「え?あ、監禁…違うか、軟禁?」
「いや、そうじゃなくて…あんた連邦でそんな目にあってたのか?」
「あー、まあね。昔の事だよ。それよりもどうする?見張り二人くらいなら、なんとかなると思うけど…」
「まぁな。とりあえずここの場所とか内部構造をもう少し確認したい。あんた、ここに連れてこられた時に場所とか見てただろ?どんな感じだった?」
「それが、目隠しされてたから見てないんだ。でも何となく分かるよ」
アムロはカメラから見えないように身体の向きを変え、ギュネイとはまるで会話をしていないかの様な体勢になる。
「モールからここまでは約十キロ。旧市街の北だ。周囲は解体前の廃ビルが建ち並んでいて、ここはその一つだ。五階建ての二階部分、一番奥の部屋だ」
「あんた目隠しされてたんじゃないのか?」
「車の振動とか回転数で時速と走行時間で大体の距離は計算できる。車を降りた時、音の反響から人の生活感を感じなかったからおそらく廃墟。モールから十キロ圏内で廃墟って言ったら旧市街かなと。建物も階段を上がる音の反響音から多分五階くらいだと思う」
アムロの言葉にギュネイは感嘆する。
それはニュータイプとしての勘ではなく、軍人としての経験や戦場での経験で培ったものだろう。
目の前の華奢な女性が“連邦の白い悪魔”と呼ばれた軍人である事を改めて思い知らされる。
「どうした?ギュネイ准尉」
思わず言葉を失うギュネイに、アムロが声をかける。
「…いや。あんたは軍人だったんだな、と思っただけだ」
「まぁ…一応?士官学校は出てないけどね」
「そうなのか?」
「ああ、私は現地徴用兵だったからね」
そう話しながらアムロは徐ろに髪からヘアピンを外し、後ろ手に手錠を掛けられているギュネイの手錠の鍵穴に差し込む。
ギュネイは後ろ手に手錠を掛けられているが、女性で且つ妊婦であるアムロには油断したのか前で手錠を掛けていた。
だから多少の自由は効く。
カメラの死角になりながら器用に手錠を解除する。
「ギュネイ、まだ手錠が掛ったフリをしていて。強く引けば簡単に外れるから」
「あ、ああ」
「とりあえず、私たちの素性はバレていないみたいだけど気を付けないとね。シャアに迷惑を掛けてしまう」
こんな時にもシャアの心配をするアムロに少しイラつく。
「…そうだな。敵の数はわかるか?」
アムロが目を閉じて建物内に意識を飛ばす。
「…ここに連れてきたメンバーは三人、建物内にはさっきの見張りを含めて十人だ」
ギュネイも同じように建物内を検索する。
「俺も同意見だ。十人で間違い無いだろう。嫌な気配がこの階に二人分、一階に八人分…なんだ?二階に…怯える気配が…子供?」
「ああ、おそらく攫われた子供が五人…この階の二つ離れた部屋に居る」
アムロの悲痛な声にギュネイが眉を顰める。
「あんた…子供達も助けようとか考えてないか?」
「当たり前だろう?放ってはおけない!」
「はぁ…あんた今の自分の状態を考えろ。腹の子を守りながらここを脱出するので精一杯だろう?子供達は応援を呼んでから対処だ。まずは俺たちがここを出なければ子供達を助けられない」
「でも!私たちが逃げた事で、焦った奴らが逃走の足手纏いになる子供達を殺してしまうかもしれない」
それは充分考えられた。しかし、ギュネイにとって一番重要なのはアムロを無事にここから逃す事。成功率を考えれば、子供の救出は二の次だった。
護衛として、この判断は間違っていない。
しかし、自身も戦災孤児として最低の扱いを受けてきた。だから子供達の事を他人事とは思えないのも事実だ。
ギュネイは心に葛藤を抱えながらもアムロの脱出を最優先に作戦を考える。

◇◇◇
作品名:Lovin’you afterCCA14 作家名:koyuho