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Lovin’you afterCCA14

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「それはそうだが、やはりこんな風に動いているのを感じるとな…」
感慨深げにお腹を見つめるシャアに、思わず笑みが溢れる。
と、「コホン」とレズンが咳払いをする。
振り向くと、呆れ顔でこちらを見つめるレズン少尉と目が合った。
「あ!レズン少尉」
「邪魔して悪いけど、そろそろ良いかい?あっちの部隊長が声を掛けたそうなんだけど」
視線を向けると、これまた困った表情を浮かべた特殊部隊の隊長が、どうしたものかとこちらを見つめていた。
「す、すみません!」
焦るアムロに対して、シャアが平然とした態度で隊長へと声をかける。
「ああ、すまんな。報告を」
「は!誘拐犯は全員確保。作戦完了です」
「うむ、ご苦労」
「あ!シャア!貴方、私を羽交い締めにしていた男を!殺す事はなかっただろう!?私があの男の銃のセーフティーをロックしたのには気付いていただろうに!!」
先程眉間を撃ち抜かれた男の事を思い出し、シャアに詰め寄る。
「君に銃を向けたんだ。当然の報いだ」
「シャア!」
「あ…あの…。大丈夫です。麻酔銃なので死んでいません」
隊長の言葉にアムロが驚いてシャアを見上げる。
「君の嫌がることをする訳がないだろう…」
視線を逸らしながら、拗ねた様に答えるシャアに戸惑いながらも笑いが込み上げる。
「あ…そう…なんだ…えと、ごめん。ありがとう」
「とにかく!もう危険な事には首を突っ込むな!分かったな」
「うん、分かったよ。本当にごめん」
「分かったらもう帰るぞ!」
シャアに手を引かれ、アムロはアジトのビルを後にする。そんな二人を、レズンが呆れながらも優しく見守る。
「まぁ、何はともあれ無事で良かったよ」


◇◇◇


「ネオ・ジオンに全員捕縛されたか…」
薄暗い部屋で、男が溜め息混じりに呟く。
「申し訳ありません。しかし、朗報もあります」
「何だ?」
「アムロ・レイを確認しました。やはりシャア・アズナブルの元に居ます。そして、その身には赤い彗星の子供が!」
部下の言葉に男がニヤリと笑う。
「ふふふ、やはりそうか!よくやった。では例の作戦を決行に移す」
「は!了解しました!」
部下が出て行った部屋の中で、ニュータイプ研究所の所長、ブラウン大佐がほくそ笑む。
「アムロ・レイ…。必ず手に入れてみせる…」


end


こうして「Lovin’you afterCCA5」に続きます。
この後おまけです。

【おまけ】

その夜、寝室のベッドに座ったアムロの膝の上には金の髪が揺らめく。
そして、お腹に耳を当て胎児の胎動に耳を傾ける。
「昼間はあんなに動いていたのに今は動かないな」
「うーん。寝てるかもね」
サラサラの金髪を指で好きながらアムロが答える。
「そうか…残念だ」
「ふふ、これからもっと動くようになるから大丈夫だよ。もう少し経つとお腹の外から動いてるのが分かるくらいに動くよ」
思わず想像してしまい、シャアがぞくりと身体を震わせる。
「お腹の中でそんなに暴れて母体は大丈夫なのか?」
「あんまり激しい時は流石に痛い時もあるよ。ライラには寝ている時によく蹴られて起こされた」
クスクス笑うアムロに、シャアは少し不安気な表情を浮かべる。
「大丈夫だって!元気な証拠だよ」
「そういうものか?」
「そうだよ。それにどうやら二人とも男の子みたいだから元気で良いじゃないか」
「男?」
「うん、今日の定期検診で教えて貰ったんだ」
「そうか…名前を考えねばな…」
「そうだね。貴方が考えてくれる?」
「ああ!勿論だ」
「ふふ、よろしくね」
この出産が命懸けになる事は分かっている。しかし、二人は努めて明るく振る舞う。
「きっと全てが良い方に向かって行くよ」
「そうだな…」
アムロはそっとシャアの頭を抱き締める。
シャアも、アムロのその温もりを噛み締める様に頬を擦り寄せ呟く。
「君との…この幸せを永遠に…」


end


作品名:Lovin’you afterCCA14 作家名:koyuho