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(1)

新しいお客が来たと女将に呼ばれ、女はその男と会った。
初めて見たそのお客。
顔はいい。素晴らしくいい。
サラサラの亜麻色の髪も、鳶色の瞳も、すらっとしていて背が高いカラダも、かなり好みであった。
しかも若い!
これからこの男とベッドの上で楽しめるんだと思うと、それだけでゾクゾクとカラダは震え、奥深い所が熱く潤ってくる。

「どうです、旦那様。いい娘でしょう?」
熱い潤んだ瞳で客の男をみて、自慢の胸元を強調させた。

最近つく客は、何故か盛りをとうに過ぎてしまった男が多かった。
さんざんカラダをいじっておいて肝心な時に自分を悦ばせてくれない老いぼれ。
変態的な道具でいたぶって、自分だけ楽しんで帰る中年。
女のほとばしる欲望は燻り、心とカラダを苦しめる。
こんな商売をしてえり好みをしてはいられないが、自分は男と一緒に楽しみたかった。ベッドの上で快楽を共に貪りたいのだ。

それなのに!

自分を苦しめるだけの役に立たない男に、女はほとほと嫌気がさしていた。
そんな中にあって、このお客は久々の掘り出し物だった。
若いから体力はありそうだ。
陰湿そうな影は見られないから、変態的な事も行わないだろう。
こんな所に来て女を買わなくても、近寄ってくる女はいるだろうに。とは思ったものの、久しぶりの若い男に躍起になった。
自分の魅力を最大限にアピールすべく、豊満な肉体をこれまでかという位くねらせ、背中までたっぷりと流れる金色の髪を悩ましげにかき上げた。大抵のお客はこれだけでよかった。このまま自分の手を乱暴に引いて部屋へと行くだろうとタカをくくり、久々に巡り合った自分好みの男に女の心はガラにもなくときめいていた。
「他の女はいないか?」
男の声で女の動きが止まった。傍らで淫卑な薄笑いを浮かべていた女将も固まった。
「あ、あのぉ旦那様。この娘じゃお気に召さないんで?」
「悪いが」
「旦那様、なかなか贅沢な事を仰いますねぇ。この娘はうち一番、いいえ、ここいらの中じゃぁ一番の上玉でしてねぇ。あっちのほうもなかなか……」
くつくつと淫猥な笑いをする女将を横目に、女はじっと目の前に立つ男を見つめた。
他の男達が喜んで吸い付く形の良い乳房や滑らかな腰、肌理の細かい肌、なにより豪奢な輝きを放つ金色の髪はどんなお客をも惹き付けて放さなかった。
女は自分の欲望だけではなく、プライドにかけてこのお客の相手をしたかった。
 「マダム、こちらのお相手はあたしがするわ」
 「おい!」
「あと残っているのは年寄りばっかりさぁ。あたしが一番若くていいよ。ねぇ、こっちだよ。たっぷりと楽しませてあげる。あたしから離れられない程にね」
 女は男の腕にしなだれかかり、強引に店の奥へと引き込んだ。
     

作品名:その先へ・・・1 作家名:chibita