Lovin’you afterCCA15
Lovin’you afterCCA15
「俺は総帥に500!」
「俺は隊長に700だ!」
「お前サザビーの整備担当だろうが!総帥に賭けろよ!」
「何言ってやがる、大尉はアクシズショックで総帥に勝ってるんだぞ?賭けに私情は挟めるか!」
レウルーラのドックでメカニックやパイロット達が口々に叫ぶ。
そんなやりとりをドックに入ってきたレズンが不思議そうに眺めながら、メカニックチーフの元に飛んで行く。
「ありゃなんだい?何の騒ぎだ?何か賭けでもしてるのか?」
「ああ、今から総帥とアムロ大尉が模擬戦するんだと」
「は?」
「なんでも上に正式に申請も出してるんで、連邦のブライト艦長も渋々だが許可したらしい」
アクシズショック後、ネオ・ジオンと連邦は和平条約を結んでいる。
その為、戦闘に関わる訓練や模擬戦を行う際は連邦への申請が必要なのだ。
そして、必ず連邦の人間がそれに立ち会う。
主にネオ・ジオンの監視をしているロンド・ベルがその役割をする為、その責任者であるブライトの許可も必要となる。
その許可が出たというのだ。
レウルーラのパイロットやメカニック達は平和な日常に満足はしているが、やはりたまには刺激が欲しい。
そんなところに総帥とアムロの模擬戦が行われると言うのだ。お祭り騒ぎになっても仕方がない。そして当然そういう場ではこうした賭け事も横行する。
「しかし何で模擬戦?」
盛り上がるドックの喧騒を横目に、レズンが首を傾げる。
「いつもの夫婦喧嘩ですよ」
そこに呆れ顔のカミーユが姿を現わした。
「はぁ?今度は何だい?」
「アムロさんの浮気疑惑です」
「はぁぁぁ!?」
思わず叫ぶレズンにカミーユも溜め息を漏らす。
「アムロが浮気なんてあり得ないだろ!?」
「俺もそう思いますよ。でも…なんでもここ最近、アムロさんが見知らぬ男と連絡を取り合っているらしいんですよ」
「だからって浮気してるとは限らないだろ?」
「そうなんですけどね。どうやらその事をクワトロ大尉がアムロさんに問い質したら…アムロさん、はっきり答えなかったらしいんです。それで口論になって…MS戦で勝負して勝ったら答えるって事になったそうです」
「それでこの騒ぎか…」
周りを見回し、レズンが溜め息を吐く。
すると、突然周りが一斉に騒めき出す。
ドックにシャアとアムロが姿を現したのだ。
二人とも視線を合わす事なくそれぞれの機体へと向かって行く。
その様子を見ながら、レズンはクスリと笑うと、賭けを取り仕切る男の元に向かう。
「おい、私はあいつに10000!」
法外な額で賭けるレズンに男が目を見開く。
「おい!この賭け金、本気か?それになんだって…!」
「勝負に私情は禁物だろ?」
ウィンクしながらその場を去るレズンに、男がレズンの置いていった紙幣を握り締める。
「本気かよ…」
カミーユの元まで戻ってきたレズンが、カミーユの肩を叩いて戦闘の様子を映し出すモニターへと視線を向ける。
「まぁ…こうなったらこの状況を楽しめば良いんじゃない?」
そんなレズンをカミーユが呆れ顔で見つめる。
「…俺にはそんな余裕ありませんよ…」
「ははは!ま、何とかなるって!」
〈総帥、アムロ大尉、出撃準備OKです〉
「「了解」」
オペレーターの声にシャアとアムロがアームレイカーに乗せた手に力を込める。
「サザビー、出る!」
「アムロ、νガンダム行きます!」
二機はレウルーラを飛び出すと、指定の宙域まで行き、互いにサーベルを抜いて対峙する。
〈総帥、アムロ大尉、サーベルのパワーはギリギリまで絞り込んであります。ライフルの弾はペイント弾です。ですがファンネルはそのままです。威力は抑えてありますが直撃するとそれなりに衝撃はありますから気を付けて下さいね〉
「了解だ」
「ああ、気をつける」
メカニックチーフの言葉に二人が低い声で答える。
「あーあ、二人とも殺気立ってんなぁ。こりゃ面白くなってきた!」
チーフの横でレズンが笑いながらモニターを見上げる。
「出来れば機体を大破させない程度に終わらせて欲しいんだがなぁ」
チーフの呟きにレズンがクスクス笑う。
「それは難しいな。いくらビームやサーベルの威力を抑えてあっても、当たればそれなりに損傷するし、アイツら武器が無くても殴り合いするからな」
「そうなんだよ。それに今日のアムロ大尉に手加減を期待するのは…無理だろうしな…」
さっきの殺気立ったアムロにそんな事は望めそうも無かった。
流石に殺しはしないだろうが、相応の攻撃はするだろう。
それは総帥も同じで、いつもあれだけアムロに過保護な男が殺気立っている。
「今回の夫婦喧嘩はまた一段と激しいなぁ」
「チーフ!何、呑気なこと言ってるんですか!?大体なんで誰も二人を止めないんです?」
「誰があの二人を止められるんだよ」
呆れ顔でレズンが答える。
「え…っと…。あっ!ブライト艦長とか!」
「そのブライト艦長が許可を出したんだぞ」
そうなのだ。以前、無許可でモビルスーツ戦をやらかした時はブライト艦長の大目玉を食らって夫婦喧嘩は落ち着いたが、今回は正式な手続きを取っている上に、ブライト艦長の許可まで下りているのだ。
「ブライト艦長が許可したって事は、モビルスーツ戦で喧嘩の決着を付けろって事だろ?そうなりゃ私たちはそれを見てるしかないのさ。どうも今回のは白黒付けなきゃ収まらないみたいだしな」
そのブライトも、レウルーラの横に付けたラー・カイラムの艦橋でこの模擬戦を見守る。
その手が胃の辺りを押さえているのは致し方がないだろう。
大きな溜め息を吐くカミーユの肩を、メカニックチーフがポンっと叩く。
「まぁまぁ、こうなったら見守るしかないだろう?カミーユ。おい!メカニック達は大掛かりな修理覚悟しとけよ!」
「げっ!チーフ!勘弁してくれよ!」
「ははは!ほら、始まるぞ!」
皆がモニターを見守る中、サザビーが動く。
「いくぞ!アムロ」
「来い!」
その掛け声と同時に二機がサーベルで激しく打ち合う。
そしてサザビーが一歩引いた瞬間を狙ってνガンダムの蹴りがサザビーを襲う。
しかしそれを躱すと今度はサザビーから放たれたファンネルがνガンダムへとビームを放つ。
「ちっ!やるな!」
アムロはそれを全て躱して急上昇すると、今度はνガンダムのファンネルがサザビーに襲いかかる。
「ふふ、君もなかなかやるじゃないか」
そう言いながらνガンダムへとビームを連射する。
「ふんっ手加減する気は無いみたいだね」
「手加減して欲しいのか?」
「そんな訳ないだろう!本気でいく!シャア!」
「望むところだ!」
模擬戦とは思えない二機の攻防に観衆の目が釘付けになる。
「スゲェ…」
「ああ…ファンネルの動きが早すぎて見えねぇ」
「モビルスーツってあんな動きが出来るもんなのか?」
「馬鹿野郎!普通のパイロットにあんな動きが出来るか!大体なんであの二人は相手がビームを放つ前に回避行動が取れるんだ?」
「それがニュータイプって奴なんだろ?」
「それだけじゃねえよ。あの操縦技術…それに気迫…、戦時中にガンダムが向かってきた時の恐怖を思い出したよ」
『νガンダムの姿を見た瞬間、やられると思った』
「俺は総帥に500!」
「俺は隊長に700だ!」
「お前サザビーの整備担当だろうが!総帥に賭けろよ!」
「何言ってやがる、大尉はアクシズショックで総帥に勝ってるんだぞ?賭けに私情は挟めるか!」
レウルーラのドックでメカニックやパイロット達が口々に叫ぶ。
そんなやりとりをドックに入ってきたレズンが不思議そうに眺めながら、メカニックチーフの元に飛んで行く。
「ありゃなんだい?何の騒ぎだ?何か賭けでもしてるのか?」
「ああ、今から総帥とアムロ大尉が模擬戦するんだと」
「は?」
「なんでも上に正式に申請も出してるんで、連邦のブライト艦長も渋々だが許可したらしい」
アクシズショック後、ネオ・ジオンと連邦は和平条約を結んでいる。
その為、戦闘に関わる訓練や模擬戦を行う際は連邦への申請が必要なのだ。
そして、必ず連邦の人間がそれに立ち会う。
主にネオ・ジオンの監視をしているロンド・ベルがその役割をする為、その責任者であるブライトの許可も必要となる。
その許可が出たというのだ。
レウルーラのパイロットやメカニック達は平和な日常に満足はしているが、やはりたまには刺激が欲しい。
そんなところに総帥とアムロの模擬戦が行われると言うのだ。お祭り騒ぎになっても仕方がない。そして当然そういう場ではこうした賭け事も横行する。
「しかし何で模擬戦?」
盛り上がるドックの喧騒を横目に、レズンが首を傾げる。
「いつもの夫婦喧嘩ですよ」
そこに呆れ顔のカミーユが姿を現わした。
「はぁ?今度は何だい?」
「アムロさんの浮気疑惑です」
「はぁぁぁ!?」
思わず叫ぶレズンにカミーユも溜め息を漏らす。
「アムロが浮気なんてあり得ないだろ!?」
「俺もそう思いますよ。でも…なんでもここ最近、アムロさんが見知らぬ男と連絡を取り合っているらしいんですよ」
「だからって浮気してるとは限らないだろ?」
「そうなんですけどね。どうやらその事をクワトロ大尉がアムロさんに問い質したら…アムロさん、はっきり答えなかったらしいんです。それで口論になって…MS戦で勝負して勝ったら答えるって事になったそうです」
「それでこの騒ぎか…」
周りを見回し、レズンが溜め息を吐く。
すると、突然周りが一斉に騒めき出す。
ドックにシャアとアムロが姿を現したのだ。
二人とも視線を合わす事なくそれぞれの機体へと向かって行く。
その様子を見ながら、レズンはクスリと笑うと、賭けを取り仕切る男の元に向かう。
「おい、私はあいつに10000!」
法外な額で賭けるレズンに男が目を見開く。
「おい!この賭け金、本気か?それになんだって…!」
「勝負に私情は禁物だろ?」
ウィンクしながらその場を去るレズンに、男がレズンの置いていった紙幣を握り締める。
「本気かよ…」
カミーユの元まで戻ってきたレズンが、カミーユの肩を叩いて戦闘の様子を映し出すモニターへと視線を向ける。
「まぁ…こうなったらこの状況を楽しめば良いんじゃない?」
そんなレズンをカミーユが呆れ顔で見つめる。
「…俺にはそんな余裕ありませんよ…」
「ははは!ま、何とかなるって!」
〈総帥、アムロ大尉、出撃準備OKです〉
「「了解」」
オペレーターの声にシャアとアムロがアームレイカーに乗せた手に力を込める。
「サザビー、出る!」
「アムロ、νガンダム行きます!」
二機はレウルーラを飛び出すと、指定の宙域まで行き、互いにサーベルを抜いて対峙する。
〈総帥、アムロ大尉、サーベルのパワーはギリギリまで絞り込んであります。ライフルの弾はペイント弾です。ですがファンネルはそのままです。威力は抑えてありますが直撃するとそれなりに衝撃はありますから気を付けて下さいね〉
「了解だ」
「ああ、気をつける」
メカニックチーフの言葉に二人が低い声で答える。
「あーあ、二人とも殺気立ってんなぁ。こりゃ面白くなってきた!」
チーフの横でレズンが笑いながらモニターを見上げる。
「出来れば機体を大破させない程度に終わらせて欲しいんだがなぁ」
チーフの呟きにレズンがクスクス笑う。
「それは難しいな。いくらビームやサーベルの威力を抑えてあっても、当たればそれなりに損傷するし、アイツら武器が無くても殴り合いするからな」
「そうなんだよ。それに今日のアムロ大尉に手加減を期待するのは…無理だろうしな…」
さっきの殺気立ったアムロにそんな事は望めそうも無かった。
流石に殺しはしないだろうが、相応の攻撃はするだろう。
それは総帥も同じで、いつもあれだけアムロに過保護な男が殺気立っている。
「今回の夫婦喧嘩はまた一段と激しいなぁ」
「チーフ!何、呑気なこと言ってるんですか!?大体なんで誰も二人を止めないんです?」
「誰があの二人を止められるんだよ」
呆れ顔でレズンが答える。
「え…っと…。あっ!ブライト艦長とか!」
「そのブライト艦長が許可を出したんだぞ」
そうなのだ。以前、無許可でモビルスーツ戦をやらかした時はブライト艦長の大目玉を食らって夫婦喧嘩は落ち着いたが、今回は正式な手続きを取っている上に、ブライト艦長の許可まで下りているのだ。
「ブライト艦長が許可したって事は、モビルスーツ戦で喧嘩の決着を付けろって事だろ?そうなりゃ私たちはそれを見てるしかないのさ。どうも今回のは白黒付けなきゃ収まらないみたいだしな」
そのブライトも、レウルーラの横に付けたラー・カイラムの艦橋でこの模擬戦を見守る。
その手が胃の辺りを押さえているのは致し方がないだろう。
大きな溜め息を吐くカミーユの肩を、メカニックチーフがポンっと叩く。
「まぁまぁ、こうなったら見守るしかないだろう?カミーユ。おい!メカニック達は大掛かりな修理覚悟しとけよ!」
「げっ!チーフ!勘弁してくれよ!」
「ははは!ほら、始まるぞ!」
皆がモニターを見守る中、サザビーが動く。
「いくぞ!アムロ」
「来い!」
その掛け声と同時に二機がサーベルで激しく打ち合う。
そしてサザビーが一歩引いた瞬間を狙ってνガンダムの蹴りがサザビーを襲う。
しかしそれを躱すと今度はサザビーから放たれたファンネルがνガンダムへとビームを放つ。
「ちっ!やるな!」
アムロはそれを全て躱して急上昇すると、今度はνガンダムのファンネルがサザビーに襲いかかる。
「ふふ、君もなかなかやるじゃないか」
そう言いながらνガンダムへとビームを連射する。
「ふんっ手加減する気は無いみたいだね」
「手加減して欲しいのか?」
「そんな訳ないだろう!本気でいく!シャア!」
「望むところだ!」
模擬戦とは思えない二機の攻防に観衆の目が釘付けになる。
「スゲェ…」
「ああ…ファンネルの動きが早すぎて見えねぇ」
「モビルスーツってあんな動きが出来るもんなのか?」
「馬鹿野郎!普通のパイロットにあんな動きが出来るか!大体なんであの二人は相手がビームを放つ前に回避行動が取れるんだ?」
「それがニュータイプって奴なんだろ?」
「それだけじゃねえよ。あの操縦技術…それに気迫…、戦時中にガンダムが向かってきた時の恐怖を思い出したよ」
『νガンダムの姿を見た瞬間、やられると思った』
作品名:Lovin’you afterCCA15 作家名:koyuho