機動戦士ガンダムRSD 運命は動き出し暁の先に伝説を作る
「こちらマックス・ドーソン大佐。
緊急事態です」
マックス大佐は、少しパニックになりながらアドラステアに通信を入れた。
※
通信は、すぐにアドラステアにつながった。
「艦長、マックス大佐から緊急通信です」
安心しきっていたサンマロ艦長の表情が少し険しくなった。
「マーク中将のリズィーシーガンダムが大破しました。
こちらに緊急着陸要請が出ています」
オペレーターが切羽詰まった声で報告した。
「何だと?」
あまりの衝撃的な報告にサンマロ艦長は、立ち上がってしまった。
コロニー軍が誇るガンダム四天王は、確かにサイジョウ元帥やサオトメにはかなわないまでもその強力な乗機とともに並のモビルスーツとパイロット相手ならば小破すらしない実力の持ち主である。
そんなパイロットを追い詰めたパイロットとは、いったい。
そのときリズィーシーガンダムから通信が入った。
「ミノフスキードライブとビームシールド搭載のモビルスーツだ。
やつらとうとう」
そこまでいうと突然マーク中将は、苦しみだした。
「負傷しているのですか?」
サンマロ艦長が心配そうに質問した。
「ああ、少しな」
マーク中将は、恥ずかしそうに答えた。
「それなら報告は、後にしてください」
サンマロ艦長は、そこで通信を切るとマン・マシーンデッキに通信をつなげた。
「マン・マシーンデッキ、マックス大佐が乗るガイヤス・ギヤが大破した機体を収容する。
緊急着艦ネット準備。
それとパイロットは、負傷している。
医療班は、待機」
サンマロ艦長は、そういって通信を切った。
※
整備員たちは、緊急着艦ネットの準備をしていた。
そしてガイヤス・ギヤに抱えられて着艦したリズィーシーガンダムに衝撃を受けた。
皆は、まさかリズィーシーガンダムが大破したとは思っていなかったからだ。
ユーピテルかユーピテルツヴァイのどちらかだろうというのが彼らのよそうだったからだ。
そうこうしているうちにガイヤス・ギヤは、リズィーシーガンダムを仰向けにした。
医療班がコックピットを強制開放して負傷したマーク中将を助け出した。
しかし整備員の目は、リズィーシーガンダムに釘付けだった。
いくら彼らが優秀な整備員でもこれだけ大破した高性能マン・マシーンを直せといわれても不可能な状態だった。
※
サンマロ艦長は、立ち上がってブリッジを後にした。
ブリッジ要員の1人がそれに気づいた。
「艦長、どこへ?」
ブリッジ要員がサンマロ艦長に質問した。
「医務室だ。
おそらく敵は、もう攻撃はしてこないだろう。
何かあったら連絡してくれ」
サンマロ艦長は、そう答えた。
「了解」
ブリッジの全員の人がサンマロ艦長に敬礼した。
サンマロ艦長は、ブリッジから出て行った。
※
それは、遠い月にも伝えられた。
「サオトメ大佐、サイジョウ元帥」
報告兵がガンダムサイガーMk-3を整備していた2人に近づいた。
そして敬礼した。
「報告します。
ヘブンズベースは、わが軍の攻撃で陥落しました」
その瞬間周りにいた技術士たちがいっせいに喜びの声を上げた。
しかしサオトメとサイジョウ元帥は、浮かれない報告兵の顔を見て何かあると感じた。
「しかしその戦闘でマーク中将が」
その瞬間サオトメとサイジョウ元帥は、最悪のケースを考えた。
「まさか撃墜されたのか?」
サオトメは、思わず最悪のケースを言ってしまった。
「大破しました。
マーク中将も負傷しました」
サオトメとサイジョウ元帥は、驚いた。
ガンダム四天王の1人をそこまで追い詰めた機体とパイロットとは、いったい。
「それと未確認情報ですがどうやらそのモビルスーツには、ミノフスキードライブとビームシールドが装備されているもようです」
その報告にさらにサオトメとサイジョウ元帥は、衝撃を覚えた。
いくらカイザーガンダムが完成してもいまだ残っている地球軍のエースパイロット全員にそんな機体が支給されれば戦局は、逆転する。
皆は、先までの歓喜な声で騒いでいたのとは打って変わって皆消沈していた。
作品名:機動戦士ガンダムRSD 運命は動き出し暁の先に伝説を作る 作家名:久世秀一