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逆行物語 真六部~ヴィルフリート~

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賭けの終決


 私は気付くと、行った事もない屋敷に居た。しかしどう言う場所かは知っている。麗乃の記憶にあったからだ。同時に麗乃も私に気付いたらしい。
「兄様、ここは…、カーオサイファ様の…。」
「その様だな。」
 取敢えず辺りを見渡すが、誰もおらぬ。迎えを待つより足を運んだ方が良いだろうか…。
「麗乃、以前、カーオサイファ様と会談した場所にまで行って見よう。」
「はい。」
 麗乃も同じ様に感じていたらしく、私達は何も無い部屋を出た。

 「カーオサイファ様、貴方と言う方は!!」
 会談場は直ぐに見付かった。しかしその場は怒りの神力で溢れている。
「メスティオノーラ様?」
 麗乃がポカンとしている。
「とうとう気付いたのであろう。」
 メスティオノーラ様がこの場にいる等、それしかない。漸く賭けに終わりが見えてきた。

 …メスティオノーラ様は麗乃と私に気付き、会談は4人で行う事になった。賭けは麗乃の勝ちであると言い、麗乃に約束通りに思う様に逆行させると言う。
 私の意見は特に聞かれる事はない。私は言わば部下だ。当然だろう。
「全く勝手な事ばかり…!」
 メスティオノーラ様が苛立っているが、反対する気は無い様だ。私は特に発言する事は無い。メスティオノーラ様は私の事等、関心も無いだろう。
「私、エーレンフェストでフェルディナンド様と幸せになって、養父様を支えたいです…。」
 麗乃が強く訴える。
「本当にクインタが良いの? あんなお父様にそっくりな男が…。」
「エーヴィリーベにそっくりなら良い男じゃないの。」
 メスティオノーラ様がキッと睨み付けたが、カーオサイファ様は意にかさない。
 エーヴィリーベとゲドゥルリーヒの間柄は、神話を鵜呑みにしたモノではないのか? それともDV監禁被害者妻にありがちな仲なのか? まあ、私が気にしても仕方無い。
 そうこう考えている内に、麗乃の望みを叶える為の逆行について話し合われていく。結果、麗乃はゲドゥルリーヒ様の眷属に、私はカーオサイファ様の完全なる眷属に、そして呼び寄せられた叔父上に、今までの逆行の記憶を与え、エーヴィリーベ様の眷属にされる事が決まっていた。

 …見届け人ならぬ、見届け神はメスティオノーラ様だった。