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永遠に貴方のもの。<前編>

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心配、・・・したのだろう。自身を蔑ろにした彼が許せなくて、・・・・。

・・・・薄く、薄く自覚してる感情に無理矢理蓋をした。








ドクドクと心臓が胸の内側を叩く。
どんなせっかちな人のノックより早いそれは逆に病気なんじゃないかとさえ思う。
ニホンから逃げるように屋敷に入って、何かから逃げるように部屋に飛び込んだ。
閉めたばかりの扉に背中を預けるとより大きく心臓が響く気がした。
それが、走った所為なのか、自覚した想いが冷めやらぬ所為なのか。はたまたこの部屋を先ほどまで彼が掃除していたと思うからなのか。
この後に控える予定を夢うつつで思い出して、着替えて、客間に向う。

屋根に登るのは好きだった。
最初に登ったときはそれはそれは止められたけど、皆やんわりと止めるのみだったから、俺も登り続けた。
じきに誰もなにも言わなくなって、俺としては気分良く登ることができた。
いつものように登ってぼんやりしてたら庭を見知った姿が歩いていく。
何も思わずに声を掛けたら、足を滑らせた。
ああ、俺死ぬのかな、とぼんやり思ったら、さほどの衝撃はなくて。
気付いたらニホンにものすごく怒られていた。
あんなに怒る人だなんて思わなくて、少し泣きそうになった。
怒る様は自分を否定されたようで、軽蔑されているようだった。
一息で言いたいことを言った彼はふ、と力の抜けた顔になって、打ち首にでもしろという。
さっきと話が違う、そう言えば、彼にはまるで命を大切に思ってくれる人がいないように言われた。
『そんなわけがない。だって、俺はお前が・・・。』
そこまで思って、気がついた。
喜んで欲しかったのも、やたら茶を一緒に飲みたかったのも。


「好きだからでしょう?このお馬鹿」

自分だけの独白だと思い込んでいた心中は外にダダ漏れだったらしい。
割と大切な商談の為に我が家の客間にいる腐れ縁の貴族に呆れた顔で告げられた答えは不覚にも自分と一緒だった。