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スライムの衝撃1~友の声~

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「まずは薄汚い橙色からだ!! ダニエルたちは後で散々いたぶりながら殺してやるよ」

怯えてぴたりと身を寄せ合い、姉妹は震えあがっていた。姉妹めがけて、キングスライムが飛び上がり、体の底で踏みつぶそうとした。

「やめろー!!」

ダニエルとレベッカが土を蹴る。巨体に向かって跳躍し、落ちてくる尻の穴に鋭く尖った頭頂部の先端を突き刺した。奇怪な声を上げ、キングスライムは力なく落下していく。

ダニエルとレベッカが巨体から離れ地面に下り立つと、凄まじい土煙が立ち上り、辺りを覆った。それが次第に静まり、視界が晴れたとき、ダニエルとレベッカは驚愕に打ち震えた。

散らばるスライムたちに混じって、姉妹が倒れていたのだ。キングスライムが、地面との衝突と、尻の激痛で分散したのはわかるが、姉妹の身に起きた顛末は謎だった。

風圧や衝撃に巻き込まれたのかもしれない、とダニエルは思った。

「そんな……助けたかったのに」
「死んでしまったの?」

レベッカの問いかけに、ダニエルは弱々しく首を横に振った。

「わからない。僕はちゃんと謝りたかった、傷つけたことを」
「わたしもよ……」

二匹は落胆し、悲しみに暮れた。姉妹のそばから離れることができず、荒れる悔恨の波に心を委ねた。

「あんたたち、派手にやりあったのね!」

突然の声に振り返ると、ダニエルとレベッカの後ろに人間の女が立っていた。腰に手を当て、愉快そうに笑む彼女に、二匹は身の危険を感じた。しかし、身が竦み逃げ去ることができない。

「へえ、ベスじゃないんだ」