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霓凰 雑記(仮) Ⅱ

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「もう、酷いわね、父さんは。
よく頑張ったわね、母さんは、坊が頑張ってたのを知ってるわ。あんなに葉が、一度に落ちてしまったら、どんな剣の達人だって、打てやしないわ。坊はよく頑張ったわ。」
「あっ、霓凰、、ズルい、、。」
「とってもいい子よ、坊、優しい子。大好きだわ。今日は母さんと寝ましょうね。」
「父さんだって、坊は出来ると思ってたさ。頑張り屋なのは分かってるよ。いい子だよ。」
林殊は、霓凰の胸に抱かれた、坊に話しかける。
「坊、今日は三人で寝ようか。いい子にしたから、おとぎ話をしてやろう。とびきり面白いヤツだ。」
「いつもと同じ話じゃ嫌よね〜。ね〜、坊?。」
「同じ話じゃない、凄く面白いヤツだ。」
「ほんとにぃ〜〜〜??。」
霓凰は疑いの眼を向ける。
その時、坊の頭がくらっと揺れて、林殊にも顔が見えるようになる。
「ん???、、、、坊、寝てるのか?。」
「そうよ、疲れちゃったのよね〜〜。」
「いつから?。」
「え〜〜、私に抱きついて直ぐよ。ふふふ、、あなたとそっくりね。」
「騙したな。」
「母さんは、騙してないわよね〜〜?、坊。父さんが勝手に勘違いしたのよね〜〜。」
「面白い話、してもらおうね〜〜、楽しみだわ。」
林殊をやり込めた霓凰は、ぎゅっと眠った坊の頬に、自分の頬を寄せる。気分が良いらしい。
笑っている。
こんな霓凰も久々で、やられた事より、霓凰の機嫌が良いのが嬉しくなった。
「よし、じゃ、、寝よう!。どれ、どの位重くなったのか、私が抱っこして連れていこう。」
霓凰は素直に林殊に坊を渡した。
久しぶりに抱き上げる。
「ああ、また重くなったな。」
坊の匂いがする。
林殊が子供の頃そうであったように、坊もまた、ちょっとやそっとじゃ起きないのだ。
「どれ、坊、嘘つき母さんとは寝たくないよな。男同志、書房で寝ような。」
「え〜〜、ちょっと、失礼ね!。嘘つきなんかじゃないわよ!。」
霓凰は無視して、いそいそと書房に向かう林殊。
すたすた歩く、背の高い林殊の後ろを、ちょこちょこと霓凰がまとわりつく。
「もう!、三人で寝るのよ。約束でしょ。」
「坊、もうすぐ書房だ。」
「ダメよ、ダメ〜〜〜。ダメだってば!。」
林殊は霓凰をからかって喜んでいた。
若い頃を思い出していたのだ。
霓凰は林殊の後ろで、少し袖を引っ張ったり、背中をちょんちょん突ついたり、、、。だが、林殊は坊を抱いているのだ。あまり激しく林殊を揺すったり出来ない。
林殊は構わず進んで行く。
「ほーら、もうすぐ着くぞ〜〜。坊の大好きな書房だぞ〜〜。」
書房に入る為に、林殊が入口に、向きを変えようとした時だった。
「ダメ〜〜〜〜。」
霓凰が、林殊の腰のあたりを強く押した。
思い切り押された訳では無かったが、林殊は歩まされて、書房の前から通り過ぎてしまった。
「あ"〜〜〜〜。」
「ほら、寄り道しない!、寝室寝室〜〜。」
「霓凰、押すな〜、転ぶ〜〜〜。」
転ぶと言いつつ、足元は確かだった。
霓凰だってそんな無茶はしない。
「霓凰〜〜〜。」
「ほら、早く早く〜。」
屋敷の奥、三人は寝所に消えていった。


三人の喧騒が無くなり、林宅の中庭はひっそりと静まり返る。
秋の夜空は美しく、秋らしい、冷やかな空気で満たされる。

主の去った裏庭で、蟋蟀(コオロギ)が、また鳴き出している。

───秋の夜長の林宅の話。




──────────糸冬──────────
作品名:霓凰 雑記(仮) Ⅱ 作家名:古槍ノ標