芳川裕美の想い(前編)
芳川裕美は14歳の中学2年生、3カ月後の平成28年4月になれば3年生と成り、高校受験の為の勉強着けの日々が始まる。彼女の家は関東地方北部の群馬県M市にあり、裕美は市内西部にある小さな市立中学校に通っている。1学年2クラスの生徒数の少ない学校だが、それでも最新の設備や技術が多く導入され、授業にインターネットを利用するのはもちろん、ノート端末やタブレットを使うこと、スマホを持ち込むことも許されている数少ない中学校だった。
新興住宅街の一角に建つ裕美の家は、共働きの両親と3歳年下の弟が同居する4人家族だ。裕美は学校から帰ると小学5年生の弟の面倒をみる良い姉でもあった。
学校で使うノート端末とは別に、裕美の部屋には大画面のモニターを持つデスクトップパソコンが置いてあった。それは技術系の仕事をしている父親の影響であり、最新のネット環境も構築されていた。もちろんそれは調べものや文書作成などの勉強補助を目的とするものだが、裕美は時々規約を破り、学校で制限されているアダルトなサイトに接続し自分の好奇心を満たしていた。もちろん父親はフィルターを設定したが、裕美はパスワードを見破って解除してしまった。
そしな環境が裕美の性知識を高め、オトナの世界に憧れる早熟な女の子にしていた。
年末になり学校が冬休みになると、彼女は益々過激なアダルトサイトを開くようになった。14歳の少女といえば思春期真っただ中で、身体も心も子供と大人の狭間にあり、あらゆる面で情緒不安定になる年頃だ。そんな時にSNSを通して危険な方向に進んでしまう同級生も少なからず居たが、裕美が興味を持ったのはネット動画をきっかけにした性行為そのものだった。初めて見た時は驚いて目をそむけた裕美だったが、いつしかその行為は彼女の好奇に変わり、やがて憧れの対象に成っていった。
裕美がオナニーを覚えたのは、今の弟と同じ小学校5年生の時だった。もちろんその頃はパソコンなど持っておらず、他の大勢の女の子と同じように性に興味を持ち、本能的に自分の股間に手を伸ばしたのが始まりだった。ただその興味が他の女子よりも強く、女体への関心が人一倍高かった。初めて自分のものに触れた時の衝撃は3年経った今でも鮮明に覚えていた。指先で触れた小さな花びらは貝肉のようにツルンとして、触った指先は下半身と一緒にジンジン痺れたのだった。
少女期にオナニーの快楽を知った裕美だったが、それが状態化することは無かった。それはオナニーに対する知識の乏しさゆえの偏見があったからだ。心のどこかに倫理を犯していると云う考えがあり、家族や自分自身に後ろめたい気持ちがあったのだ。しかしその事で性への興味が薄れることは無かった。裕美の真の興味はその先にある性行為そのものだったからだ。そしてオナニーを始めるのと同時期に訪れた初生理と、その知識を学校で勉強したことも、裕美が性行為への好奇心を募らせる要因となっていた。
平成29年の正月が明けた元旦の朝、裕美はある男と運命的な出会いをした。それは正月の恒例となった国民的行事、全国新春駅伝大会のスタート会場での事だった。
スポーツはそれほど得意ではない裕美だが、観戦する側にまわるとジャンルを問わない程スポーツ好きだった。自宅から歩いて15分程の所にある県立運動公園がスタート会場だが、裕美は30分も早く着いてスタートゲート前に場所取りをしていた。そこに、スタート直前になって隣のスペースに割り込んで来たのが、大きな1眼レフカメラを首からぶら下げ、折り畳みの踏み台を手にした原田昭夫だった。
新興住宅街の一角に建つ裕美の家は、共働きの両親と3歳年下の弟が同居する4人家族だ。裕美は学校から帰ると小学5年生の弟の面倒をみる良い姉でもあった。
学校で使うノート端末とは別に、裕美の部屋には大画面のモニターを持つデスクトップパソコンが置いてあった。それは技術系の仕事をしている父親の影響であり、最新のネット環境も構築されていた。もちろんそれは調べものや文書作成などの勉強補助を目的とするものだが、裕美は時々規約を破り、学校で制限されているアダルトなサイトに接続し自分の好奇心を満たしていた。もちろん父親はフィルターを設定したが、裕美はパスワードを見破って解除してしまった。
そしな環境が裕美の性知識を高め、オトナの世界に憧れる早熟な女の子にしていた。
年末になり学校が冬休みになると、彼女は益々過激なアダルトサイトを開くようになった。14歳の少女といえば思春期真っただ中で、身体も心も子供と大人の狭間にあり、あらゆる面で情緒不安定になる年頃だ。そんな時にSNSを通して危険な方向に進んでしまう同級生も少なからず居たが、裕美が興味を持ったのはネット動画をきっかけにした性行為そのものだった。初めて見た時は驚いて目をそむけた裕美だったが、いつしかその行為は彼女の好奇に変わり、やがて憧れの対象に成っていった。
裕美がオナニーを覚えたのは、今の弟と同じ小学校5年生の時だった。もちろんその頃はパソコンなど持っておらず、他の大勢の女の子と同じように性に興味を持ち、本能的に自分の股間に手を伸ばしたのが始まりだった。ただその興味が他の女子よりも強く、女体への関心が人一倍高かった。初めて自分のものに触れた時の衝撃は3年経った今でも鮮明に覚えていた。指先で触れた小さな花びらは貝肉のようにツルンとして、触った指先は下半身と一緒にジンジン痺れたのだった。
少女期にオナニーの快楽を知った裕美だったが、それが状態化することは無かった。それはオナニーに対する知識の乏しさゆえの偏見があったからだ。心のどこかに倫理を犯していると云う考えがあり、家族や自分自身に後ろめたい気持ちがあったのだ。しかしその事で性への興味が薄れることは無かった。裕美の真の興味はその先にある性行為そのものだったからだ。そしてオナニーを始めるのと同時期に訪れた初生理と、その知識を学校で勉強したことも、裕美が性行為への好奇心を募らせる要因となっていた。
平成29年の正月が明けた元旦の朝、裕美はある男と運命的な出会いをした。それは正月の恒例となった国民的行事、全国新春駅伝大会のスタート会場での事だった。
スポーツはそれほど得意ではない裕美だが、観戦する側にまわるとジャンルを問わない程スポーツ好きだった。自宅から歩いて15分程の所にある県立運動公園がスタート会場だが、裕美は30分も早く着いてスタートゲート前に場所取りをしていた。そこに、スタート直前になって隣のスペースに割り込んで来たのが、大きな1眼レフカメラを首からぶら下げ、折り畳みの踏み台を手にした原田昭夫だった。
作品名:芳川裕美の想い(前編) 作家名:潮 風