芳川裕美の想い(後編)
原田は別れ際に、「また逢うことは必ず実行するよ、でも約束した事を絶対に忘れないで!・・今日の事も、これから先のことも絶対に二人の秘密だよ、・・それと学校の成績が落ちたら、もう逢わないからね、」と言った。
裕美は「*絶対に話さないよ!、*勉強も頑張る!、」と答えた。そして、「*原田さんも、わたし以外の女の子とエッチなことしちゃヤダよ、・・約束破ったら私も守らないからね!」と言った。それを聞いた原田はドキっとした、そして、今も肉体関係がある女達の顔が次々に浮かび、大きな溜め息をついた。
夕方5時前だと云うのに辺りは薄暗くなっていた。それでも歩いて帰ると云う裕美に、原田は小さな懐中電灯を手渡した。そして、手を振りながら何度も振り返り、家に向かう長い橋を渡り始めた裕美の後ろ姿を、小さく見えなくなるまで凝視していた。
原田は、22歳も年の差がある中学生の裕美に、本気で恋をしてしまった自分に驚いていた。
<第一話 完>
作品名:芳川裕美の想い(後編) 作家名:潮 風