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　バリツは踊りの輪を今一度注視した。踊り手たちと、眼を合わせないよう注意しながら。
　そして、考えた。

　盆踊りを朝まで夜通しやり通すなどという話も奇異ではある。
　だが、もはやそんな次元の話ではない。
　自分を散々罵ったアシュラフであったが、彼女はその中でも踊りの魔力を洞察した様であった。

　あの盆踊りを……否、あの得体の知れない儀式を、放置したとしたら？

　何が起こるというのだろう。
　想像したくもなかった。