鳥籠の番(つがい) 6
「え?」
「フォウは…連邦の強化人間は、記憶の糸口に触れそうになると頭痛を起こしてたんだ。でもそれはつまり、何らかの記憶があるからこそ反応するんだと思う。彼女はまだ強化処置を受けている途中だったから記憶操作が完全じゃ無かったかもしれない」
キリマンジャロで、彼女は強化処置をまだ受けていた。つまりはまだ完了していなかったと言う事だ。
「アムロ大尉の記憶操作も完全じゃないって事?」
「ああ、もしくは…何らかの操作で…解けかけている…」
「何らかの操作?」
「はっきり分からないが…アムロさんから、ちょっと嫌な思惟を感じたんだ。誰かがアムロさんに負の感情を向けているような、そんな思惟の残像を…」
翌日、目を覚ましたアムロは、どうにか起きられるようになり、手錠を掛けられ、尋問室で尋問を受ける。
それを、隣の部屋のマジックミラー越しにブライトとカミーユが見つめる。
「やはり何も吐かんな」
「そうですね」
「でも一応、形式上はやっておかないと上層部から文句言われますもんね」
「そう言う事だ」
「でも、本当に…クワトロ大尉…シャアは何をする気でしょう?5thルナを落としただけで終わるとは思えない…。地球の人類を全て宇宙に上げるなんて不可能だ」
「全ての人類を宇宙に上げる!?」
ブライトはその言葉を聞き、嫌な想像を思い浮かべる。
と、そこに艦橋から連絡が入る。
《艦長!ネオ・ジオンから通信が入っています!至急艦橋に戻って下さい!》
「何だと!?」
to be continued...
作品名:鳥籠の番(つがい) 6 作家名:koyuho