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LIMELIGHT ――白光に眩む7

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「な……ん……」
「お前が見ていた終わりは、オレの始まりだった。だから、お前がそう思うのは勝手だとは思うが許さない」
「ゆ……、許さない、たって……」
 困惑顔でエミヤを見上げる。
「まだ納得しないか……。では……、Blue Momentという言葉を知っているか?」
「え? ぶるー?」
「Blue Moment……、すなわち、青の瞬間。
 夜明け前と日没後のわずかな時、空が青くなる瞬間だ。暁、黄昏、という区別はない。どちらの瞬間にも使われる言葉だからな。
 お前が黄昏だと言い張るのなら、私は暁だと言い切ろう。そして、今、このカルデアにいる時間は、Blue Moment。
 青く、美しく、澄んだ空の瞬間。
 私は、お前とその刹那を共有している。それは……、どんな記憶よりも、膨大な記録よりも、忘れ得ぬものだ」
 士郎は呆然とするだけだった。そして、不器用に微笑(わら)うことしかできなかった。
「なんだよ、それ……、この……、キザやろう……」
 こぼれた雫は、青の瞬間を取り込んで、エミヤの手に落ちた。


LIMELIGHT――白光に眩む 7  了(2019/1/11)